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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第8部 北の魔女ミイナ
257/344

26 希美vsライア(2)

「これまでだな。小さな戦士よ。

 いい勝負だった」

 ライアが青龍刀を構えていい放つ。

 

 希美はライアの言葉に首を横に振る。

 それから、立ち上がって、また大剣を構える。

 脚が小刻みに震えている。

 もう、体力の限界を超えているんだろう。

 

 もう、無理だよ。

 でも、希美が負けたら、勝負は終わり。

 LOVE★WITCHESがやつらの傘下に入るってこと。


「無駄だ。東都の剣士よ。もうおまえの攻撃はかすりもしない」

 残念そうに言う。


 希美は、そんなことを言われても相手を睨み続ける。

 その目は死んではいない。


 そう、LOVE★WITCHESの中では希美が一番年下だけど…

 その根性はリスペクトに値する。

 最初、こんなに歌もダンスもトークもダメな子がどうしてLOVE★WITCHESのメンバーなのって思ったこともあった。

 私たちは、LOVE★WITCHES。強さだけでなくアイドルなんだ。

 その人気が超法規的な存在を肯定する根拠となる。

 安城さんの受け売り…。難しいことはわからないけど、そういうことらしい。

 剣の天才と言われる希美。

 でも、それだけで終わらない。

 暇があれば、道場で麻衣さんに挑戦する。

 ダンスや歌も栞と一緒に特訓しているのも知ってる。

 歌はまだ小学生レベルだけど、ダンスは様になってきている。


 剣技も同じ。

 麻衣さんは希美の才能を高く買っている。

 日に日に強くなる希美の可能性を…


「死にたくなければ、引けっ」

 たぶん、相手も希美の才能には気づいている。

 純粋な武人は、希美を殺したくないんだ。


 しかし、希美は引かない。

 相手を大きな瞳で睨んでいる。

 その表情には、いつもの希美の不敵さが戻っている。

 この表情の時の希美は強い、勝利を確信していると言っても良い。


「仕方ない…では終わらせよう。」

 偃月青龍刀を構えて全身する。

 希美も大剣を構えると思ったら、大剣を地面に突き刺す。

 脇差に手をかけて、前に走る。

 

 相手の突きのスピードに合わせて、希美もスピードに賭けたの?

 

 両者がぶつかる。

 でも、剣のぶつかる音はしない。

 静止する二人、ライアの偃月青龍刀は希美が素手で掴んでいる。

 無刀取り…希美と麻衣さんが研究していた極意。

 ライアはその刃を引き抜こうとするが、微動だにしない。

 力任せのライアと怪力の希美。

 その力に耐え切れない刀の柄が折れる。


 それを合図に希美は脇差を抜いてライアの懐へ突っ込んだ。

 


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