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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第8部 北の魔女ミイナ
250/344

19 幕間

「サリ様、大丈夫ですか?」

 ユーリカが黒いドレスの少女に声をかける。

「大丈夫だよ。リンは?」

「リンも大丈夫みたいです。今は外の帝国軍を食い止めています」

「そう…。あと、何人くらい…」

「数えてないですよ。そんなの。一万くらいまでは倒しましたが…。

 焼け石に水でしたね」

 彼女たちは、帝国の軍隊に囲まれていた。

 序列1位の魔女と戦い勝利した魔女サリに対し、他の魔女達と帝国軍が手を結び戦争を仕掛けたのだ。

 両者ともにサリの力を認め、恐れていた。

 10万以上の軍隊と6人の魔女軍団に対し、サリ達は追い詰められていった。

 

「ただ、静かに自分の国を守りたかっただけなのに…

 どうしてこんなこと」

「そうですね。一度も自分から攻めたことはないですよね。

 なのに、暴虐のサリですか…」

「ええ、その名が抑止力になればと思っていたんですが、北の地では通用しませんでした」

「まさか、帝国と魔女が手を組むとはね」

「金剛力ユーリカも、神軍師リンの名も同じ。出る杭は打たれるってことです」


「だいぶ楽になりました。ユーリカ行きましょうか」

「はい、とりあえず逃げられるだけにげましょう。リンと3人で…」


 サリとユーリカは洞窟の中を外の光に向かって歩きだす。


 そこに歩いてきた、ショートヘヤーの少女。

「リン」

 ユーリカが声を掛ける。

「戦況は?」

「それより話が」

「新しい作戦でも思いついた?リンの軍略はまさに神の域だからね。

 期待してるよ」

「話はサリ様に…」

 そっけなくユーリカに言う。

 この愛想のなさはリンの合理性の現れ、必要な事以外は口にしない。

「そう…じゃあ…サリ様に」

 ユーリカもそんなリンに慣れている。他の者がユーリカにそんな態度をとったらただではすまないのだが。

「サリ様…」

「どうしたの…」

「死んで下さい。それが、村人たちを助ける道…」

 リンの後ろには、青い鎧が立つ。

 その後ろには、帝国軍。

「リン、きさま…裏切ったのか」

 ユーリカが憤怒の表情で吠える。

「この方は、帝国4将軍のひとり、ラインデッカー将軍です」

 その後ろから、ローブの女が現れる。

 序列2位の時空のシャルロッテ。

 現在最強と言われる魔女。

「魔女会議も、あなたには消えてもらうことで一致したわ。

 下刻上なんて流行ってもらうと困るの」

 

「リン…

 本当に村人たちは守れるの?」

 落ち着いた表情でサリは、かつての仲間に問いかける。

「はい、僕が序列7位になってサリ様を引き継ぎます」

「そう…」

「サリ様っ!」

 ユーリカは納得しない。

 リンに掴みかかろうとする彼女をサリが制する。


「じゃあ、やっておしまい。

 あなたの手で…

 無能なリーダーを」

「はい…」

 リンが2人を見つめる。

 それから、手を上にあげる。

 その途端、光の玉が現れ、それがリンたちを包み込む。

 その光が一点に収束したとき、2人の姿はその場から掻き消えていた。



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