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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第8部 北の魔女ミイナ
248/344

17 桜沢美那子VSリディア

「次はわたし。

 LOVE★WITCHESリーダー、桜沢美那子」

 出ようとする沙耶香先輩を制するように前に出る。

「あなたが最強ってわけですか?

 闘気を読むとそうでもないみたいですが…」

「そうね。私たちは強いからリーダーとかそういうのないしね。

 みんなをまとめあげるのがリーダー。

 チームってそういうものでしょ。

 だけど、リーダーの責任は果たすつもり

 勝とうと負けようとね」

 オレンジ色の光の玉を地面にバウンドさせる。

 その途端、敵の目の前から消える美那子先輩。

 光球のバウンドした先に現れる。

 トリックスタードリブル。美那子先輩の動きは相手を翻弄する。

 普通の高速移動ではない。相手の目線の先を裏切る。

 人間の脳は、断片的な情報を補間する。

 急スピードや急停止に脳の処理がついていかない。

 それを利用して、消えたように見えたり、分身したりしたように見える。

 残像を操るんだ。


「わたしの動き、先読みできるかな。

 先読みの魔女!」

 そう、さっきからリディアの動きの不自然な点にみんな気づいている。

 まるで、未来が見えるように完全に攻撃を避けている。

 そして、あの発勁で仕留める。


「わかりましたか?わたしの能力。

 わたしの目には未来が見えてるんです。

 遥か先は見えないんですが10秒先でしたら、見ることができます。

 戦いにはそれで十分ですよね」

 にっこり笑って、最小の動きで光球を避ける。

 トリッキーな動きも目くらましもこの人には効かない。

 

「アルティメット・ダンク!!!」

 リディアの上から、光弾を叩きつける。

 美那子先輩のジャンプ力があって初めて成り立つ技。

 まるでゴールリングに上から叩き込むように、バスケットボール弾を叩きつけるのだ。

 至近距離で初めて手を離すため、避けようがない。

 そして、フィニッシュだけあってその威力も半端ない。

 いくら未来が読めても、よけられないと意味がない。


 光弾が輝きを増す。

 リディアに突き刺さる…

 と思った瞬間。くるんと後ろに下がる。

 美那子先輩のフィニッシュは、空を切ってバウンドする。


 体勢を崩して着地する美那子先輩の背後に、リディアの姿。


「無駄ですよ…

 わたしには、その技は」

 美那子先輩の背中に、敵の手のひらが添えられる。


 発勁。


 美那子先輩は地面に叩きつけられる。


 でも、なんとか立ち上がる美那子先輩。

 足がもつれる。

 でも、倒れないのはリーダーの意地。


 あの先読みの力には、対抗する手段はないの?


 美那子先輩は新たな光球を出す。

 たぶん、無駄。

 でも、なんとか突破口を見出そうとする。

 それが、1%の可能性でも…

 あとには、沙耶香先輩が控えているんだから。


 ドリブルで素早い攻撃を仕掛ける。

 右から左から、目まぐるしく相手の隙をつこうとする。

 でも、相手はすべてを簡単に躱してしまう。


「あっ…」

 美那子さんの光球が変な方向にバウンドする。

 イレギュラーバウンド。

 その球が、リディアの方向へ。

 いままでの余裕の躱し方ではなくて、手で払いのける。

 光球を払い除けた手には、傷が残る。

 手に気をまとわせたつもりだったんだけど、一瞬の遅れ。


 美那子先輩もその反応に気を取られる。

 その隙を見逃さない敵。

 美那子さんの胸に当てられた手。

 そこからの衝撃波が美那子先輩を吹っ飛ばす。


 吹っ飛ばされた美那子先輩を、沙耶香先輩がふわりと受け止めた。


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