表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第8部 北の魔女ミイナ
242/344

11 有沢結花

 倒れそうになりながら、相手を待つ。

 目が霞んでくる。

 もしかして、さっきの針には毒とか塗ってあったのかもしれない。

 ふらつく足。

 時間稼ぎにもならないかもしれない。

 だめ、マイナス思考は…

 なんとかなるんだ。世界は。

 わたしたちの力は精神力。気持ちが負けた時点で終わり。

 いままでの敵とは違う。

 相手は力の半分も出していない。

 ひとりひとりが先輩たちに匹敵する力を持つ。


 わたしの前に、魔獣が近づいてくる。


「まだ、いるよ」

「踏み潰しちゃおうか」


 魔獣が前足を上げる。


 足が動かない。

 もう限界なのかも。


「毒が効いてきたんでしょ。でも、ただの痺れ薬。

 簡単に死なれたんじゃ。面白くないもんね」

「じゃあ、踏み潰してぺちゃんこにしてみるね」

 魔獣の足が近づく。


 もう、だめ。

 ルシフェルだけでも、逃げて。

 わたしの心が折れる。

 そのとたん、ルシフェルは紫の球へと戻る。


 ごめんなさい。LOVE★WITCHESなのに、こんなに惨めに負けるなんて…

 

 意識が薄れていく…

 

 魔獣の足が止まる。


 たぶんゆっくりと踏み潰していくつもりなんだ。こいつら。

 恐怖を与えて、命乞いをさせて。

 わたしたちをハエとか虫けらみたいにしか思っていない。

 絶対、屈服するもんか。

 わたしたちは誇り高きLOVE★WITCHESだよ。

 このまま、立ったまま終わりを迎えよう。


 でも、その足は動かない。


 薄れゆく意識の中で聴き慣れた声が叫ぶ。


「あんたたち、うちの店の前で何やってるの」


 それは、さっきのお店の結花さんの声だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ