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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第8部 北の魔女ミイナ
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05 武将ライア

「なんか、前にうるさいハエがいるね」

 ミイナという魔女が、魔獣の背中に寝転びながら退屈そうに言う。

「ミイナさま、横にもいるよ」

 仮面の中の一人が告げる。

 春香と美月の動きは、もう敵が捉えていた。

「追い払ってこようか?あいつら弱そうだし」

 春香の円月輪が、魔獣の背中の魔女たちを襲う。

 しゃべっている仮面の一人が、うるさそうに円月輪を片手ではらう。

 春香の円月輪はビーナスと呼ばれる宝具のひとつ。

 宝具とは、意思をもった武器。

 その中でもクィーンという称号を持つ世界最強の武器のひとつだ。

 それを簡単に跳ね除ける仮面の少女。

 まわりの仮面たちも、それを当然のように反応しない。

 ひとりひとりが相当の実力を持っているようだ。

 表情は見えないが、リーダーらしい魔法少女と眼帯の副官の態度でそれはわかる。


「わたしが行ってこよう。相手も武人だ」

 巨大な青龍偃月刀を抱え込んだ長身の仮面が立ち上がる。

 この使い手も巨大。長い柄に青龍刀をはめ込んだ2メートルはあろうかという巨大薙刀。

 それにふさわしい体格。2メートル近くの身長に民族衣装から除く褐色の鍛え上げられた筋肉質の腕。

 おそらく相当の使い手とみられる。


「うん、ライアじゃ勝負にもならないだろうけどね。ちょっと露払いたのむよ」


 巨体ににあわないふわりとした動きで、魔獣から春香のところに降りていく。

 そして、春香の前に立ちふさがる。

 着地の瞬間は普通無防備になるものなのに。

 それを見逃す春香ではないはず…

 でも、その春香が円月輪を投げることさえできない。

 それほど、隙のない動きをする長身の仮面。


「さあ、試合おうか?」

 地を揺るがすような大きな声。

 そういえば、昔の時代の武将の一騎打ちの前の名乗りみたい。

「我が降り立ったのは、貴殿を一角の武人と認めてのこと。

 さあさあ、楽しませてもらおうか」

 まるで、歌舞伎のように見栄を切る。


「そういうのは、東都では流行らないよ」

 冷めた目で巨大女を見る春香。

「わたしは朝生春香。LOVE★WITCHESの一人よ」

 とかいいながら、名乗った上にポーズまで取る。

 でも、これはわたしたちの職業病みたいなものかも…


 それに、わたしたちは正々堂々と戦う。

 それは戦国時代の武将によく似ているのかも…

 1対1の戦いに巻き込めば、周りの被害を最小限に止めることができる。

 その上、私たちは『正義』でなくてはならないのだ。

 卑怯な戦いは、わたしたちの戦い方じゃない。

 これは、火焔まどか先輩や美那子先輩に受け継がれてきた、LOVE★WITCHESの魂だ。


「私はライア!魔女ミーナさまの武将!

 いざ、参らん」

 マントを剥ぎ取る。筋肉質の体があらわになる。

 太い腕、太ももも硬い筋肉に覆われている。

 鋼のような身体だ。


 柄の長い刀を突き出す。

 意外に素早い刺突。

 春香はそれを後ろに回転して避けた。


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