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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第8部 北の魔女ミイナ
233/344

02 休日

 久しぶりの休日。だんだん休みが少なくなって来ているような気がする。

 美那子先輩は休みも仕事のうち、ゆっくり身体を休めるようにって言うけど、私達にそれは無理。

 グルメとショッピングが私達を待ってるぜ!

 っていうように久しぶりの休みは胡桃と春香と町に繰り出した。


「美月っ。わたしたちは有名人なんだから。もし、まわりにばれたらすごいことになるんだよ」

 お目付け役は春香。

「でもさぁ。せっかくお給料とかもらったのに、使う機会とかないじゃん」

「将来のために貯める。いつまでもアイドルなんてできないんだからね」

「でもでも、ランチくらいいいじゃん。たまにはさ~」

「本当にたまにはだよ。美月って休みたんびにどっか行こうとするじゃん。たまには、自分を振り返ってみるとか、歌とかダンスの弱点チェックするとか、やることあるでしょ。ただでさえ覚えが悪いんだから。このまえのバラエティでも、台本全然覚えてないじゃん」

「だから、バラエティは行き当たりばったりのほうが面白いじゃん」

「ちゃんとプロが書いた台本があるんだから、そのとおりしなくっちゃ。よけいなこと考えなくていいの」

「でもでも、すごい受けてるよ。美月のアドリブ」

「それ、馬鹿なだけでしょ。この前の食レポだって、"甘ひ~""おいしひ~"だけじゃん」

 わたしの真似をする春香。世間ではわたしの物まねとか流行っているらしい。

「だから、食レポの練習」

「もう、美月にはかなわないよ。じゃあ、わたしの知ってるお店でいいよね。芸能人が行っても騒がれない隠れ家みたいなとこ」

「うん、美味しいランチがあればどこでもいいし」


 春香について歩いてくると、懐かしい風景。

 それはあの死闘があった魔獣ビルの前。

 東都一の繁華街の中で、ここらへんだけ人通りが少ない。

 

 魔獣ビルと呼ばれているけど、元は丸十ビルという名前で。

 東都の財閥である丸十グループが立てた東都で最大のビルだったらしい。

 天にそびえる建物。最初は神への挑戦とか言われたらしいけど。

 どこからか入り込んだ能力者たち。それに瞬く間にビルは支配されてしまった。

 上に行くほど、強い能力者がいる。そして、能力者たちはビルを勝手に建て増しして、現在の異型のビルとなってしまった。

 ビルの上の方は霞んで、どうなっているのかわからない。実際、何階建かもわからないし、調べることもできない。

 

「ここらなら、私たちのことわかっても騒ぐような人たちはいないの。

 だから、案外、芸能人とか多いんだよ」

 やっぱり春香は、名子役とかやってて、芸能生活が長いだけあって、いろいろなこと知っている。

「ここだよ」

 魔獣ビルの向かいの古びた建物。その地下のレストランに降りていく。

 古びたビルだけど、中はちゃんとした内装で、おしゃれなお店になっている。

 春香曰く、ここらへんは賃貸料が安いから、安くておいしいお店が集まるらしい。


「こんにちは」

 慣れた感じで入っていく春香。

「いらっしゃい。春香ちゃん」

 カウンターの中の髭面のシェフも気さくに声を掛ける。

「友達、連れてきたよっ」

「いらっしゃいませ」

 愛想のいいエプロンが似合う女の人。

「春香ちゃんじゃない。こっちの子は…」

 わたしを見る。

「きゃあ♪美月ちゃんと胡桃ちゃん。LOVE★WITCHESが2人も」

「わたしもだよっ。だから3人。結花ねえ。なんか美味しいもの食わせてやって」

 結花ねえと呼ばれた女性。春香とどういう関係???

「じゃあ、腕によりをかけて。あなた。頼んだわよ」

 髭面のシェフはうなづいて、何かを作り始めた。




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