07 着ぐるみ魔女
私は右から舞台へ回る。
胡桃は左から…
その前に2つの黒マントが立ちふさがる。
ふぅん、通さないつもりね。
でも、わたしたちは魔女だよ。
すぐに決着つけてやるよ。
走りながら、光玉を取り出す。
わたしのまわりを回りながらついてくる光玉。
それぞれが、意志をもって動いてくれる。
これがわたしの能力。
普通の光玉使いと違って、戻すこともできる。
美那子先輩と違って小さい光玉で威力も小さいけど、この能力気に入っている。
ほかにも私も知らない能力がある。
それは、コントロール不能だけど、ピンチになると光の玉が魔神とかに変化する。
でも、みんな性格に難があるんだけどね。
いっくぜぇぇぇ!
私は光の玉を次々と黒マントにぶつける。
ひらりと黒マントが舞い上がる。
マントだけを攻撃してしまう。
その、わたしの背後に気配。
まさか…
わたしは振り返りざまひじを見舞う。
それは空を切る。
わたしの腕に襲い掛かる手。
その手には鋭い爪。
わたしもそれを避ける。
でも、二の腕にかすってしまう。
そこから噴出す血。
わたしの目は敵の姿をようやく捉える。
希美くらいの小さな子。
猫のような耳のついた帽子。
それから、手には大きな猫の手を模したグローブ。
猫足の靴。
もふもふしてるけど、爪は鋭くなっている。
でも、模様は猫じゃなくて虎???
ちがう、これって豹じゃなくて、細かい斑はチーター。
なおもわたしに襲い掛かる爪。
予想できない変幻自在の動き。
よけるのが精一杯。
自動的にわたしを守ってくれる光玉たち。
それがなければ、完全にやられてる。
でも、今は互角。
わたしと着ぐるみの子との対決はこう着状態となった。