05 コスプレ
メイド服に着替えて、部屋を出る。
胡桃も黒のタキシード。
それから、設楽さんも。
みんなの前に出る。
オーッって歓声。
「にあってるじゃん」
美那子先輩が笑いをこらえながら言う。
たしかに胡桃の男装ははまり役って感じ。
それから、設楽さんの眼鏡メイドもめっちゃありげな感じだ。
わたしは、絶対似合ってない。
チビだし、落ち着いたとこないし。
完全コスプレって感じになる。
でも、アンバランスなだけに内輪ウケはする。
「じゃあ、その格好でパーティに張り込んでくれる。
天誅組が現れるかもしれないって情報もあるし、あくまで内密にね」
「ハイ…」
安城さんも笑い、めっちゃこらえてるし…
「がんばってねっ」
春香もおかしくてたまらないって感じで言う。
でも、春香は武器が必要だから、この任務はこなせない。
武器を持ったメイドなんてありえないし…
でも、優菜でもいいんじゃないの…
その方がメイド服似合うだろうし…
栞でも…
それはないか…
小学生のメイドなんてダメそうだし…
やっぱはまり役なのかな…
あきらめたようにため息をつくわたし…
そのため息にあわせるように胡桃のため息が重なった。
わたしたちは目でしかたないねって、相槌を打った。