19 最強タッグ?
次はわたしたちの番。
東都のガーディアンとして、北都のやつらにひけを取るわけにはいかない。
それに機械って、こういう柔らかい敵って苦手でしょ。
軽くかたずけてやるよっ。
まあ、見てなって。
春香の円月輪が光り始める。
そう、彼女の円月輪は宝具といわれる最強の武器のひとつ。
それも、クイーンと言われる意志を持つ武器。
性格はすご~く悪いんだけど、それに相応しい実力を持つ。
「わたしは嫌よ。あんなキモイの斬るなんて」
「うるさいっ!わたしの言うとおりにしてよ」
もう、内輪もめが始まっている。
わたしも、8つの光球を出す。
氷の効かない相手。
特にスライム系とくればこれしかない。
電気ショック。
わたしは黄色い球に願う。
「魔神トールを召喚する!」
「やだよっ」
「えっ」
「だってさ。この前も都合のいいときだけ呼び出して、その後すぐに戻しちゃうんだもん」
こいつも性格悪いんだった。
わたしたちってチームワークむちゃくちゃかも。
アメーバが触手を伸ばして近づいてくる。
それを、優菜が氷の盾で防ぐ。
原始生物は本能的に刺激避けようとする。
触手が一瞬ひっこむ。
この間に、なんとかしなきゃ。
優菜の冷気による攻撃ではやっつけられないことはわかっている。
「じゃあ、いいよ。
普通に投げちゃおうかな。
あんなのに取り込まれたらさびちゃうよね。
火炎輪になったら刃につく前に燃えちゃうかなっ」
春香は円月輪を脅しにかかる。
「こんど、お部屋で呼び出してアイスでも食べさせてやるから。
頼むよっ」
「しかたないなぁ」
私はトールを懐柔する。
めんどくさいやつ。
わたしの前に小学生くらいの男の子が現れる。
そう、こいつが雷神。
雷を自由に操る。
準備完了だ。
わたしと春香は目を見合わせて頷いて、同時に攻撃態勢をとった。