18 青鬼vsクワガタ
青い機神はクワガタと対峙する。
中にのっているのは無愛想な長身の金髪、犬神って男だ。
こっちも甲虫の固い身体にてこずっている。
重そうなパンチを繰り出すが、ダメージを与えられない。
それどころか、振り回すはさみを受けおされ気味。
自分の数倍の重さのものを動かす昆虫のパワーになすすべもない。
でも、青鬼は力比べを挑む。
両手で角をつかむ機神。
くわがたも正々堂々と勝負する。
そのまま、青鬼を跳ね飛ばそうとする。
じりじりと押される青い機神が後退する。
やっぱ、力比べでは勝てないよ。
赤いやつみたいに刀とか銃とか出さないと…
押されるだけではない。
青い機体が浮き始める。
もう、あとは跳ね飛ばされるだけ。
こっちは赤鬼とちがってだめみたい。
まあ、アメーバを倒してからやっつけるか。
やっぱ機械も魔女ほどじゃないんだから。
赤いのはなかなかやるけどね。
そう、思ったとたん。
「慎!
何遊んでんだよ!」
赤鬼が声をかける。
遊んでる???
「早く片付けちまえよ。
お嬢様がたじゃ。あの柔そうなの無理そうだしな」
「ああ…」
青い機神が浮き上がった足を地につける。
そのまま、上から角を押さえつける。
「破砕!」
そう叫ぶと、くわがたの角をわきに巻き込むような形になる。
バキッ。
何かが折れるような音。
そう、クワガタの角が折れた音。
青い機神の前で、角の折れた巨大クワガタが崩れるように足を折った。
青い機神が折れた角を高々と掲げるのが見えた。