17 赤鬼vs亀
赤い機神は亀に向かってショットガンを構える。
ゆっくりと引き金を引く。
爆音とともに、銃身が上に跳ね上がる。
カミツキガメは首をすくめる。
ショットガンの玉は跳ね返される。
再び顔を出すカメ。
ダメージはない。
「かってえな。
やっぱ、カメだな」
あったりまえだよ。
余裕をぶっこく覇流にカメが頭をあげて突進する。
頭を左から跳ね上げると機神が吹っ飛ばされる。
めっちゃ力強いみたい。
観客席に飛ばされる機神。
「やべえな」
ゆっくりと立ち上がる赤い機神。
体勢を整えて、銃を構える。
またショットガンが火を吹く。
カメは顔をひっこめて防御姿勢をとる。
「おいおい、きかねえじゃん.
どうする?慎?」
「勝手にしろよ。こっちも忙しいんだ」
クワガタ虫と組み合う青い機神。
「仕方ねえな」
背中から剣を抜く赤鬼。
直刃の剣だが、その刃は赤く光始める。
ただの刀じゃない。
それをカメに向けて振り下ろす。
ガキンって鉄のぶつかる音を立てて、刃は弾かれる。
固すぎ、このカメ。
「やっべえ、これもだめか?」
うろたえる覇流。
カミツキガメの反撃が始まる。
赤い機神に首を伸ばし、振り払う。
壊れたおもちゃのように倒れる機神。
その上にカメがのしかかる。
マウントポジションって感じ。
カメの首が伸びる。
機神の肩に噛み付く。
ギシギシと機神の腕が音を立てる。
すごい顎の力。
「待ってたぜ。これを」
どうみても劣勢の赤い機神が吼える。
カメの首に刀を当てる。
刀はより光を強くする。
「固いのは甲羅だけだろ?」
そのまま、刀を払う。
そのまま立ち上がる機神…
カメの身体を蹴り飛ばす。
赤い血を浴びた機体が赤鬼の異名どおりにライトに照らされていた。