16 赤鬼青鬼
赤い機神が打った弾丸は大ネズミを正確に打ち抜く。
青い機神の弾丸は蜘蛛をふっとばし、体育館の壁に縫い付ける。
すぐに亀とクワガタの前に立つ機神たち。
素早い動き。
まるで、機神自身が動いているような。
その後に入ってくる機神のぎこちない動きとは比べるまでもない。
これが北都の青鬼赤鬼。
赤いのは亀と組み合い、青いのはクワガタと組み合う。
その間に他の機神たちが、観客を逃がす。
わたしたちも逃げるように、促される。
でも、それをわたしたちは振り払う。
そう、ここではわたしたちも戦える。
魔法の使える空間ではわたしたちは無敵だ。
それも、観客はもう安全なところに逃げている。
いっくぜぇ!反撃開始!
亀と昆虫はあいつらに任せて、バクテリアの方に。
走る!春香も同じ考え!
幸い優菜の氷の魔法でバクテリアの動きが鈍くなっている。
3人なら倒せる。
わたしたちは優菜に駆け寄って、支えるように寄り添う。
まだいけるよって言うように微笑む優菜。
でも、相手も分裂を始めている。
勝手に2つにちぎれて、増殖する。
たぶん、こいつらは切ると分裂する感じ。
それから、菌だから熱いのに弱いはず。
ここはわたしたちで、春香と顔を見合わせる。
わたしたちはうなづきあうと同時に前に向かって走り出した。