11 巨大ガメ出現
何が起こったか。
あっけにとられた敵を3人でなぎ倒していく。
もっとスタッフを連れてくるんだった。
リサーチが出来てないから、どこに敵がいるかわかんない。
とにかく黒の戦闘服の男を倒していく。
とりあえず、観客を逃がすのが先。
だから、入り口をふさいでいる奴を倒す。
優菜も春香もそこはわかっている。
あっという間に中央の入り口にたどりつく。
そこをふさいでるのは黒のロングコートにグラサンの男。
なんかいままで倒した男たちと違うオーラ。
でも、北都には魔法使いはいない。
わたしの前で男が手を上げる。
その手には亀。
男はそれを放り投げる。
落ちてくる亀が大きくなる。
嘘…
やばいっ。
「みんな逃げてっ!」
私は観客に叫ぶ。
その場からパニックを起こして逃げる観客。
その中央に地響きを立てて落ちる亀。
投げたときには50センチくらいの亀が5メートルくらいの大きさになっている。
吼えるようにおおきな口をあける。
「カミツキガメだ。獰猛な亀でね。
それに飼いならしてある」
男はうっとりと亀を見上げる。
「魔獣使いね」
「魔獣使い???
そんな下等なやつらと一緒にしないでほしいね」
「魔獣でしょ。これ?」
「わたしは動物学者プロフェッサー・陣だ」
「でも、魔獣じゃん」
「だ・か・ら。ただのカミツキガメだ!
私の能力で巨大化しただけだ。
わからないのか!
それなら、これでどうだ!」
コートから白いねずみを出す。
同じように上に投げる。
落ちてきて3メートルくらいの大きさになる。
前足を上げて立ち、周囲を威嚇する。
「降参したまえ。
もし、逆らうなら、観客を襲わせる」
やばいよ。
わたしたちだけならいいけど。
わたしたちの後ろにはファンがいる。
わたしは観念したように両手を上にあげた。