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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第6部 機械都市のLOVE★WITCHES
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02 北都

 わたしはキョロキョロしながら歩く。

 目にするものすべてが東都と違う。

 鋼鉄の街。

 すべての色がモノクロームな鉄の色。

 カラフルな東都とは違う。

 それと体調も違う。

 なんか、魔力がみなぎってこないっていうか。

 不思議な感じだ。


 落ち着きのないわたしに春香がお小言を言う。

 駅から出ると、迎えの車。

 軍服といった感じの茶色の制服に制帽の人が出迎える。

 表情に乏しい人。愛想もなにもなく、必要最小限の挨拶。

 ドアを開け、車に乗るように促す。

 わたしたちはジープのような迷彩色の車に乗り込む。

 歓迎とか期待してたわけじゃないけど、

 やっぱファンとかの出迎えとか……

 そういうのないんだ……

 無言で発車する車……

 春香と話すって雰囲気でもないし、

 わたしは窓の外を見ているしかない。

 デザインとかファッションとか感じさせない実用的な町並み。

 建物も同じようなものばかり。

 とくに目をひくようなものはない。


 わたしたちはホテルについて車から降りる。

 東都にくらべて、まばらな人並み。

 すこし寒い気候と相まって、寂しい感じさえする。

 ホテルに入ると、とりあえず練習場になっている会議室に。

 美那子先輩に挨拶。

 ちょっと緊張する。

 春香と私は無断遅刻だし。

「ちゃんと取り成してやるから…」

 真奈美さんが微笑んで先を歩く。

 その後ろに隠れるようにして、わたしはホールに入る。


「おバカっ。

 いっつもいっつも。

 まあ、春香はいいけど……

 美月だけは」

 さっそく美那子さんに怒鳴りつけられる。

「でも……」

「でももクソもないっ!」

「まあまあ、時間押してるんだろっ。

 今夜はテレビでお披露目だし」

「うん…まあ」

「じゃあ、練習だろ。

 早くおまえら身体作れ」

「はいっ」

 真奈美さんが間に入って、春香がわたしの手をひっぱる。

 すぐに着替えて、春香と組んで柔軟を始める。

 念入りにストレッチをして、みんなの後ろに並ぶ。

 あきれたように優菜がわたしに目で合図をする。


「じゃあ、6人バージョンで行くよっ。

 気合入れてねっ」

 音楽が始まり、わたしたちは本番どおりの3曲の練習を始めた。


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