11 第二の門
山道を歩いていくと第二の門が見える。
その前に座っている背の高いショートカット女。
わたしたちが近づくと立ち上がる。
「紅葉も、へたれだね。
こんなやつらに負けるなんて。
まあ、真奈美の次に使えない子だったけどね」
「たぶん、その次があなたね。
悪いこといわないから、通してくんない。
怪我するよ」
挑発モードの春香。話合いとかだめなの?
「あんたらこそ。帰ったら。
真奈美は頭領と大事な話があるの。
あの子抜け忍だからね。
わたしらの掟を破ったんだからね。
それなりの罰を受けてもらわないとな」
「だから、つれて帰るんだよ。
真奈美先輩を。
掟とかそういうの関係ないっしょ。
もう真奈美先輩は忍者じゃなくて、LOVE★WITCHESなんだから」
「仕方ないねっ。第二の門番人、音速の爆撃機七星。
わたしを倒してから通っていきな」
「もともとそのつもりだよ」
「じゃあ、そうさせてもらうよ。
美月。たのんだよ」
わたしにタッチして、春香は後ろにさがる。
挑発するだけ挑発してそれはないよ。
相手、怒ってんじゃん。
わたしなら、もっとちゃんと話して通してもらうのに。
「うん…」
なんか下っ端気分。
「ごちゃごちゃ言ってないで、はやくはじめようか」
ウォーミングアップなのかトントンと軽快に跳ねる七星。
音速ってどんな攻撃なの。
とりあえず、わたしは七つの光球を出す。
「美月っ!」
春香の声にわたしは後ろにのけぞる。
髪が風に舞う。
「ちっ」
目の前に七星の姿。
やばい、春香の声がなかったら。
冷たい汗が背中を伝う。
目の前の七星の姿が消える。
「上ッ!」
また春香の声。
上を見上げると、大空を舞う七星の姿があった。