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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第5部 忍びの里のLOVE★WITCHES
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08 巨人の紅葉(1)

 春香が左から円月輪を投げる。

 そしてわたしは右から光球をぶつける。

 この攻撃は避けられない。

 一つを弾いても、もう一つは避けられない。

 攻撃を受けない方法はひとつだけ。

 避けるだけ…

 でも、そうすれば門を破壊する。

 チェックメイトだ。

 わたしと春香の連携をなめるな。


 でも、紅葉は逃げない。

 ただ笑っているだけ。

 その、姿を何か巨大なものがさえぎる。

 それに当たってはじける円月輪と光球。

 わたしたちの前に立ちふさがる壁。

 それは大きな手のひら。


 それはすぐに消える。

 その先には紅葉が立っているだけ。

 あの大きな手の巨人は?


「なかなかの攻撃ね。

 まあ、蚊にさされたくらいだけど…」

 不敵に笑う紅葉。

「じゃあ、今度はこっちから」

 足を振り上げる。

 そしてかかとから落とす。


 そのとたん、大きなものが落ちてくる。

 大きな足がわたしたちを踏み潰すように。

「美月、よけて」

 わたしたちは後ろに飛ぶ。

 すごい振動とともに落ちる足。

 地響き。うしろに降り立ったわたしの身体に大きな振動が伝わる。

 まるで震度4くらいの地震。

 足の落ちたところにはクレーターのようなくぼみ。

 こんなの当たったら。

 その巨大な足は一瞬にして消える。


「春香っ。わかったよね。あいつの能力」

「うん…今のでね」

「あいつは身体の一部を巨大化させるんだ」

 そのわたしたちを薙ぐように手のひらが襲う。

 風圧で飛ばされるわたしたち。

 なんとか受身をとって地面に降りる。

 それを逆の手がなぎ払う。

 わたしたちの攻撃ではこの巨大な手足に対応できない。


 でも、全体を大きくすることはできないんだから、前に出て本体を攻撃したら。

 目で春香に合図を送る。

 どちらかが囮になって、もう一方が前に行って紅葉をぶっ飛ばす。

 こういうコンビネーションは春香とがいちばん息があう。

 胡桃や優菜ではうまくいかない。


 手の平が来る。

 とりあえず春香が前に出る。

 それをなぎ払うように逆側からもう一方の手。

 それを見てからわたしが前に出る。

 時間差攻撃だ。

 とにかく前に飛んで、光玉を放つ。


 その光の球は巨大な足に踏み潰される。

「真奈美の後輩にしてはやるわね。

 でも、真奈美と同じへたれには違いないけど…」

 わたしはすんでのところで足を避ける。


「美月、下がって」

「えっ?」

「この程度の敵に二人がかりはないっしょ」

「何言ってんの」

「だからぁ。わたしたちはLOVE★WITCHESだよ。

 ただ勝てばいいってもんじゃないの。

 2人がかりだからとか、言い訳もできないくらい完全に叩きのめす。

 それがLOVE★WITCHESでしょ」

 春香ってLOVE★WITCHESの中でも特に気が強いんだった。

 そして誰よりLOVE★WITCHESを愛している。

 その春香に、紅葉の言葉が火をつけてしまう。

 春香はゆっくりと紅葉の前に進み出る。

 その春香を挑発するように紅葉は微笑みを浮かべた。 


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