04 忍びの里からの刺客
先頭車両まで行って、列車を降りる真奈美さん。
わたしたちも少し遅れて降りて、列車の陰に隠れる。
列車の前に立ちふさがる着物姿の3人の女。
その方に歩いていく真奈美さん。
「真奈美っ、久しぶりだね」
真ん中の小さい子が真奈美さんに呼びかける。
「わかってるよね。
抜け忍がどうなるか」
「そうそう、いちばんへたれの真奈美がLOVE★WITCHESなんて言って東都でいい気になっているなんてね」
「頭領が待ってるよ。行くよ」
真奈美さんは逆らわず彼女たちの前に行く。
絶対やばい。
漫画で見た知識さけど、抜け忍って、組織から逃げ出した忍者。
徹底的に探し出されて、見せしめのため殺される。
真奈美さんが忍者の出身って本当なんだ。
それから、抜け忍だったなんて。
そういえば、北都ツアーが決まってから、ちょっと変だったかも。
いつもの明るい真奈美さんじゃなくて、ちょっと考え込むことも多かったし。
真奈美さんは、彼女たちの方に歩いていく。
まるで、抵抗する気はないみたいに。
そんなにあの3人って強いの。
真奈美さんなら、3人くらい楽勝なのに。
戦う気にもならないくらいに。
「わかったよ。
行くよ。
頭領のところに」
「わかってるじゃん。いい子ねっ」
真奈美さんの肩に背の高い短髪の女が手を置く。
「じゃあ、行くよ。
皆さんご協力ありがとうございました。
列車は、ただちに発車したしま~す」
列車の方に向いて挨拶する真ん中の背の低い女。
左の女が何か投げる。
それが爆発し、、周りが煙につつまれる。
その煙が消えたとき、3人と真奈美さんの姿はどこにも見当たらなかった。
まるで、煙といっしょにかき消えたかのように。