02 プロローグ2
駅に着く車。
その中から飛び出すわたし。
とりあえず、ホームまで、ダッシュ!
もう、これに乗り遅れるわけにはいかない。
ホームに着くとチケットを見て席を調べる。
3号車か・・・
看板を見ながら乗り場に向かう。
なんとか大丈夫そう。
ホームにたってるのは…
春香っ…
おーいって手を振る。
呆れ顔の春香が振り返る。
やっぱ待っててくれたんだ。
「美月っ」
「春香、待っててくれたんだっ」
「美那子さん、カンカンだったよっ」
「うん、わかってる」
「でも、これ以上美月がおバカなことしないようにって、わたしを置いてった」
「ごめん」
「まあ、わたしは北都も西都も行ったことあるしねっ」
春香は研修所のクラスメートで、最近いろいろあって、LOVE★WITCHESに入った。
わたしより3ヶ月後輩ってところだけど、
実は昔、有名子役とかやってて、芸能関係は長い。
ダンスも歌もすごいし、しっかりしてるから新人なんて感じはしない。
むしろ、わたしの方が新人みたいな感じ。
それに、メンバーになってすぐにリーダー美那子さんに気に入られて、今や片腕って感じになっている。
人気投票でも、順位がうなぎ上り。
最近はわたしと5位と6位の座を競っている。
先輩たちからしたら、春香の上位よりもわたしの上位が信じられないみたい。
とりあえず、列車にのらなきゃ。
わたしは春香と乗ろうとする。
「あと、ひとり」
あきれたように溜息をつく春香。
私以外にも、遅刻したひとがいるの?
ホームを見回す。
階段からあがってくるサングラスに小麦色の肌。
まさか…
真奈美さん。
わたしといっしょで朝が超弱いので有名。
話に聞く限り私以上かも。
わりと、自由な行動をする不良メンバーだからありうるかも。
「ごくろうっ」
わたしたちに気が付いて手を上げる。
ミスティボディ、日向真奈美。
麻衣さんと優菜のグラビアユニット。
身体を霧のように透けさせて相手を倒す、LOVE★WITCHESの暗殺者と言われている。
忍者の生まれと言われているけど、プロフィールは不明だらけの謎の人だ。
列車に乗り込むとお菓子を広げるわたし。
また春香からお小言が飛ぶ。
アイドルとして、体重管理しなきゃだめとか…
わかっているけど、まあ育ちざかりだし、運動は毎日してるし。
ウェストもわたしの身長から規定の58㎝をクリアしてるし。
こんなときくらいいいじゃん。
遠足気分のわたし。
でも、春香はスケジュール表を見て、いろいろと考えてるみたい。
ツアー以外にもテレビとか雑誌のインタビューとかがあるらしい。
まあ、行ってから考えたらいいし、ぶっつけ本番とか強い方だしって思うんだけど、春香は違うみたい。
夢を与える仕事なんだから、きちんと考えないとって思うみたい。
それは春香が子供のときから、そうだったからプロ意識が半端ないのかもしれない。
いつもの姉妹の喧嘩みたいになるわたしたちを、やさしく真奈美さんは見守った。