61 エピローグ
試合は、わたしが引き分けになったから、二日目は引き分けとなり、一日目の結果でLOVE★WITCHESの勝ちとなった。
そして、久しぶりの休日。
っていっても、わたしは病院で検査とか、リハビリとか。
スイーツも食べにいけないって状態。
でも、とりあえず退院して、初めてのユニット練習。
スタジオで軽く汗をかく。
まだ、激しい運動は止められてる。
もう、大丈夫なんだけどね。
愛莉さんと沙耶香さんがスタジオに入ってくる。
「大丈夫か?
まあ、身体だけは丈夫そうだしな」
愛莉さんがわたしのところに来て、クシャってわたしの髪の毛をつかむ。
来週は新曲の収録だから、ちょっと練習しなきゃ。
しばらくサボってたから、わたしだけ遅れてるし。
今度はなぜかセンター横のパート。
でも、愛莉さんが教えてくれるから大丈夫。
わたしのダンスを見て、悪いところを直してくれる。
ぶっきらぼうだけど、こういうところは本当に頼れる。
そのあと、美那子さんも入ってくる。
まだ、足の包帯が痛痛しい。
「美月っ。
もう大丈夫か?無理しなくていいよ」
わたしの動きを見てから、愛莉さんの横に立つ。
「ちょっと休憩。
沙耶香、美月、聞いて。
正式には明日の合同練習で発表するんだけどね。
先にユニットのメンバーだけに言っとくね。
絶対、内緒だよ」
わたしは美那子さんと愛莉さんの前に立つ。
「今度、うちでBLACK★WITCHESも引き受けることになってね。
抜けた子とかいてボロボロでしょ。
それで、リーダーを愛莉にやってもらうことになったの」
えぇーっ!愛莉さんが!
わたしは驚いた顔で愛莉さんを見る。
愛莉さんはわたしに微笑み返す。
「わたしもやりのこしたことはあるんだけどね。
美月のこの前のがんばりみせてもらったし。
もう一人前だよ。
ダンスは、まだまだごまかしが多いけどね。
だから、今度はあいつら鍛えてやろうと思ってさ」
わたしの頭を撫でる愛莉さん。
くすぐったそうにわたしは顔を上げる。
「それで、愛莉の代わりにね
最強の新メンバー。
このユニットで頑張ってもらうわ。」
美那子さんが話を続ける。
「入ってきて」
新メンバー。
どんな子かな。
わりといきなりだし。
いい子ならいいなっ。
ドアが大きく開く。
その音を追って入り口を見る。
そこに立っているのは・・・
「春香っ!」
わたしは声を上げてしまう。
ゆっくりと近寄ってくる春香。
「よろしくねっ」
照れくさそうに手を差し出す春香。
「よろしく!春香っ」
わたしはその手を両手で力強く握って上下に振った。