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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第4部 BLACK★WITCHES
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58 宝具ビーナス

「円月輪ビーナス!

 わたしはあなたと契約する!」

 円月輪が光り輝く。


「やっと契約してくれるんだね。

 待っていたんだよ。春香っ」

 円月輪から女性の声。


「私自身の力で勝ちたかったけど、このままじゃ美月に勝てないからね。

 本気の本気でやるよ」


 春香は、契約者だったんだ。

 あくまで自分の力で戦う・・春香らしい。

 そしていままででも十分宝具を使いこなしてた。

 これから、どうなるの?


「女神ビーナスか…」

 わたしの剣がうなる。

「知ってるの?」

「ああ…わたしと同じ剣神の一つ。

 108の宝具のうちの8神…」

「強いの?」

「剣神だからな。しかし、性格は最悪だ」

「えっ???」


「ハハハ。やっと外に出れたよ。

 この子がなかなか契約してくれなくてさぁ。

 ずっとこの子の力は認めてたのにさぁ」

 高笑いする円月輪。

「わたしの言うこときくのよ」

 たしなめる春香。

「やだねっ。せっかく出れたんだから、あんたのいうことは聞かないよ。

 キャハハハハ。

 とりあえず、あのうっとおしいゼノンとかいうジジイを真っ二つにしてやるよ」


 うわぁ、やっぱ最悪っ。

 大丈夫だよね。ゼノン。


 さっきとは違うスピードで円月輪が飛んでくる。

 それもトリッキーな動き。

 読めない…


 でも、剣はそれを難なく弾く。


 春香の手に一瞬で戻る円月輪。


「勝手に動くんじゃないよ。

 主人はわたしだよ」

「うるせえな」

 春香の側で仲間割れが始まる。

 ホント性格最悪なのかも。


 まあ、こっちは剣のあつかいなんてわかんないんだから、ゼノンに頼るしかない。


 左右から春香が円月輪を投げる。

 2方向から迫る円月輪。

 こっちの刀は一本。

 金属がぶつかる音。

 でも、軽くゼノンは動いて弾く。


 宝具どうしの戦い。

 わたしたちの力量にかかわらず、神の戦いとなる。


 でも、押されてくるのはわたし。

 春香が円月輪の達人なのに比べて、わたしは剣の素人。

 いくら、剣自身の力が強くても力の差は歴然。

 それにわたしの力ももう限界。

 だんだん力が抜けていくのがわかる。


「一撃だな。あと・・」

 ゼノンもそれはわかっているみたい。

 最小の動きで円月輪を弾く。


「もう、終わりだね。

 宝具の王の座はもらうよ。

 宝具の女王の誕生だね。

 春香、正面から行くよ」

「勝手にしなよ」

 ビーナスは私たちの限界を悟っている。

 でも、春香はやる気のない返事。

 自分の方に集まってくる円月輪を次々につかみ、重ねる。

 それらはひとつにまとまる。

 そして光り始める。

 まばゆい光を放つ1つの輪。

「これでフィニッシュだね。

 いくよ春香」

 春香は円月輪を投げる。


 円盤のようにわたしに迫ってくる大きな光の輪。

「両手で持て!

 力比べだ!」

 ゼノンが叫ぶ。

 わたしは両手でしっかりと柄をつかむ。

 そして目の前で構える。

 ゼノンとわたしは光輪を真正面から受け止めた。

 

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