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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第4部 BLACK★WITCHES
152/344

49 魔神の格

 たぶん、わたしもいたぶるつもり…

 決定的な技を出してくるわけではない。

 あくまで、わたしに対してパンチを繰り出してくるだけ…

 リングをしているのに、この圧倒的な力…

 

 でも、何かしないと…

 そうだ、猫でもいいから出して…

 魔神をひきつけてる間に本体と勝負。

 これしかない…


「いいよ。出てきて、ルシフェル」

 わたしが、ロッドを振り上げて祈る。

 紫の球が黒猫に姿を変える。

 くるんと一回転してリングに降り立つ。


 魔神に対峙する黒猫。

 完全に迫力負け…

 でも、猫だし…


 そのまま、ルシフェルはその場にまるまって…

 えっ???

 だから…・

 魔神をひきつけて…


 片目だけあけて魔神を見ているだけ…


「早く立って戦ってよ…」

「あ…・必要ないにゃあ…」

「だから…」

「魔神ガウディ…誰だにゃ、それ?」

「だから、目の前にいる」

 振り返ると、いつの間にか目の前にいない魔神…

 柊の後ろまで下がっている…

「たぶん、俺がしらないんだから、どこかの下級魔神なんだろうにゃ」

「下級だって、あんなに強いんだよ」

「だから、100軍をまとめる大魔神ルシフェルとは格が違うんだにゃ。

 魔獣と違ってなまじ知性があるから、勝てない戦いはしないんだにゃ。

 もう、俺がいる限りあいつは何もできないにゃ。

 行って来い。

 あの、小娘よりお前の方が上だにゃあ」

 あくびをして、目を細めるルシフェル…

 これが、大魔神…・

 でも、むこうの魔神は下がってるし…

 わかんないけど、行くしかない…


 前に出る…


 今度は柊があせる番。

 魔神をけしかけようとする。

 でも、頭を抱えて動かない魔神。


 その目の前に現れるわたし…

 柊がわたしにパンチを繰り出す…

 でも、それは素人のパンチ…

 真奈美さんや胡桃に体術を習っているわたしにかなうわけない。

 わたしはパンチを受け止めて、ニィと笑う。

 おびえた表情の柊…

 平手で横っ面を張る…

 吹き飛ぶ柊…


 でも、向かってこない・・

 裕也にギブアップを告げる。

 魔神の影に隠れてただけ、こんなやつに栞は…

 ムカつくけど、手は出せない…

 それは次の相手にぶつける…


 ゴングの連打。

「WINNER。海崎美月」

 わたしの勝ちが告げられる…

 でも、圧倒的に不利なのは間違いがない…

 できるだけ体力は温存して、ファンに手を振るだけにする。


 間髪を入れず次の相手がリングに現れる…

 私を休ませない作戦…


 いままでの相手と違うオーラ…

 たぶん春香を含むあと3人は相当の実力者…


「BLACK★WITCHES~

 中堅~永遠の読み手~鈴宮紫苑~」

 黒いマントに身をつつんだストレートロングの女…

 浅黒い肌と大きな瞳がミステリアスな雰囲気を醸し出す。


「LOVE★WITCHES~

 大将~レインボーマジシャン~

 海崎美月~」

 ファンに手を上げながら、相手を見る。


 足元のルシファーは、大きく伸びをして…

 消える…

 えっ…・

 なんで???

 

「リング付きのおまえの力なんてこんなもんだにゃあ」

「えっ?この前あんなに外に出てたのに」

 使えねえ、猫。

「まあ、あとは自分で戦うんだにゃ」

 まあ、期待はしてなかったけど…


 相手のリングチェックが終わって、ゴングが鳴る。


 わたしは、静かに微笑む黒い女の周りをゆっくりと歩いて攻撃の機会をうかがった。


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