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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第4部 BLACK★WITCHES
149/344

46 魔神使い

 栞が立ち上がって、リングに向かう。


 鞍馬栞…・

 古から伝わる不思議な力…

 幻術の使い手。

 身体はお子様だけど、その力は底知れない。

 魔女の中の魔女、睦美さんを継ぐ者として期待も高い。


 白の着物に赤の袴という巫女装束。

 普段の甘えた栞ではなくて、キッとした表情。

 リングの前でフワッと飛び上がる… 

 それはジャンプの飛ぶじゃなくて、空中浮遊というのが正しい。

 まるで、体重がなくなったみたいに飛び、

 フワっとリングに着地する。

 相手の刀の上に乗ったりする栞の体術だ。

 練習で戦っても、まるで空気と戦っているような感じ。

 とにかくつかみどころがない。


 それに対して、黒のマントに身をつつんだ女の人がリングに上がる。

 眼鏡と片目を隠したショートヘヤーが特徴的。

 アンダーリムのメタルフレームから覗く鋭い視線。

 まるで、安城さんみたいだ。

 地味に普通にリングに上って、栞の前に立つ。

 不気味に笑う女。


「それでは、次の試合。

 BLACK★WITCHES~中堅~魔神使い~

 禁門~柊~」

 小さく手を上げて声援にこたえる。


「LOVE★WITCHES~~

 副将~~夢幻の使い手~~

 鞍馬~栞~~~」

 両手をあげてアピールする栞。

 集中していてもアイドルは忘れないわたしたち。

 

 2人ともリングのついている手首を裕也に見せて確認を行う。


 レディ・ゴー!ゴングが鳴らされる。


 いきなり飛び出す栞。


 そう、あと4人…

 時間はかけられない。

 栞の小さな身体…

 体力に難があることはわかっている。

 速攻で倒す…それしかない…

 とりあえず、幻術は使わずにぶつかっていく。


 でも、軽く微笑みながら避ける柊。

 この人の体術も並みじゃない。

 栞も古武術の達人。

 それなのに、軽くいなされる。

 

 普通の技じゃだめ。

 栞もそれに気が付く。

 柊の懐に飛び込んで、両手から炎の球を出す。


 逃げられない距離。


 その時、柊の前に黒い影…

 大きな手が光の球をさえぎる。

 爪の長い悪魔の手…

 それが、地中から伸びている…

 もう片手も…

 よじ登るように3本の角の頭が現れる…

 黒い顔にのぞく白い牙。

 毛むくじゃらの身体…

 太い脚…尻尾…・

 身長3メートルくらいの人間型の魔獣。

 

「魔獣?」

 栞がその巨大な獣から、距離を置く。


「魔獣???

 そんな下等なものじゃないよ。

 魔神だよ。

 魔神ガウディ」


 たしかに魔獣というにはあまりにも邪悪なものを感じる。

 その邪悪な魔王は、栞の前で牙を剥いて、地響きがするような雄叫びをあげた。

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