43 毒の虹球
「きゃはははは・・・
引っかかったぁ・・・
今のはシャボン玉だよ」
その少し後ろに唯の姿。
「無駄っ。
捕まえるのは時間の問題だよ」
真奈美さんは唯の方に飛ぶ。
「どうかなぁ・・・」
素早くストローを構える。
大きなシャボン玉を噴出す。
そのシャボン玉が美那子さんと同じように真奈美さんを包み込む。
「だからっ、無駄だよ」
ゆっくりとシャボン玉から抜け出す真奈美さん。
スケルトンボディを閉じ込めるなんて、誰にもできない。
「無駄じゃないよ」
ニッコリと微笑む唯。
そして、真奈美さんは膝をつく。
「ねっ」
どうして・・・
「毒だねっ」
「うん、シャボン玉の中は毒ガスでいっぱい。
気に入った?
おねえちゃんの使ってた毒。
知ってるよね。
朱雀って言って東都を仕切ってたんだけど・・・
わたしの姉なの・・・
あんたらに、やられちゃって。
今は刑務所の中・・・
仇っていうのじゃないんだけど・・・
とりあえず、むかつくじゃん。
そういうの」
「朱雀・・・」
朦朧としている真奈美さん。
「まあ、死ぬような毒じゃないけどね。
ちょっと身体が痺れるだけ・・・」
真奈美さんはうずくまる。
そして、リング内の10カウントがはじめる。
必死で立とうとする真奈美さん・・・
でも、立てない・・・
よろめいて倒れる・・・
その頭の上で、裕也の告げる10カウントが告げられ、ゴングが打ち鳴らされた。