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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第4部 BLACK★WITCHES
143/344

40 シャボン玉

 美那子先輩の手に光のボールが現れる。

 いつもはバスケットボールぐらいの大きさなのに、今日はハンドボールぐらいの大きさ。

 3連リングをつけているから、フォースは制御される。

 でも、美那子先輩のフォースは他のメンバーに比べて優れてるってわけではない。

 むしろ、フォース自体は弱い方かもしんない。

 でも、美那子先輩の強さは、その身体能力にある。

 だから、足の怪我が心配。


 対する中津川唯の手には白く細い棒をもって、

 バトンのようにクルクルまわしている。


 美那子さんが光球をドリブルしながら前に出ようとする。

 棒を咥える唯。

 その棒の先から、数個のシャボン玉を吹き出す。


 ふわふわと美那子先輩のほうに飛ぶシャボン玉。


 そして美那子先輩の前で弾ける。

 いえ…

 爆発って言ったほうが正しい。

 転がって後ろに避ける美那子先輩。


 その間も敵はシャボン玉を作り続ける。


 いつの間にか美那子先輩をシャボン玉が囲んでいる。


「ふうん。そういう技なんだ」

 でも、美那子先輩はあわてない。


「もう、動けない。

 動けばBOMBだよ。

 キャハッッッ♪

 ギブする?」

 勝ち誇ったように唯が笑う。


「でも、これぐらいの隙間はすり抜けられるよ」

 姿勢を低くして光球をドリブルする。

 戦闘開始というように動き出す。

 ドリブルしているのに目にも止まらない様なスピード。

 そう、美那子さんはわずかな助走でトップスピードに達する。

 ジグザクに影が動く。

 

 瞬く間に間を詰める…

 速いっていうよりも縮地…

 まるでワープしているように…


 いきなり唯の目の前に現れる…

 そして、光球を振りかぶる…

 アルティメットダンク…

 美那子さんに必殺技…


 FINISH!!!

 そのとたん、中津川唯は不敵に笑う…


 美那子さんの光球は唯にまで届かない…

 なにか見えない壁に阻まれるように…

 そして手から離れた光球は弾かれる…


 中津川唯がストローを咥える。

 そのまま、巨大なシャボン玉を吹き出す…

 それは美那子さんを包み込む…


「踏み込みが甘かったね。

 その足じゃあ仕方ないけどね…」

 美那子さんを見て微笑む。

 美那子さんはシャボン玉を割ろうとする…

 でも、壊れない…


「じゃあ、ByeBye」

 唯がシャボン玉を押す…

 観覧車のように、

 ゆっくりとそらに上がっていく美那子さんを乗せたシャボン玉。

 

 そのうち、リングを離れていく。

 場外20カウント…

 中で暴れる美那子さん。

 でもシャボン玉はゆがむだけで、力を吸収してしまう。


 裕也の無情なカウントがはじまる。

 

 1…2…3…4


 祈るような気持ちで美那子さんを見る…

 美那子さんはくやしそうにシャボン玉を叩き蹴り続ける…

 

 7…8…9…10

 進むカウント…

 もう、手はないの???

 絶望の状況…

 でも、それを何度もなんとかしてきた…

 今度も…

 そう思う…

 でも…

 わたしは、美那子さんをみつめながら、ぎゅっと拳をにぎりしめた。

 


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