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01 プロローグ

 正方形のテーブルを囲む4人。

 一人は黒いドレスを着た妖艶な女性。

 3人は男性。

 しかし、その容貌は普通じゃない。

 全員が闇のオーラをまとっている。

 その4人を取り巻く男達も・・・・


「それでは、定例の会議をはじめます」

 白いスーツに銀縁眼鏡の男。

 オールバックに髪をなでつけ、

 清潔な身なり・・・・

 でも、その細い目の光は鋭く、

 普通の人なら震え上がるような迫力を持っている。

 

「まず・・・これを見てください」

 スーツの男が指を鳴らす。

 画面にはラブウィッチーズの戦いが映し出される。


 美月が7色の玉を出す。

 灰色の狼と黒ずくめの男。

 魔獣使いだ。

 魔獣だけに戦わせるのではなく、男も相当の使い手。

 ナイフを使って狼と絶妙のコンビネーションで攻撃する。

 紙一重で避けながら、攻撃の機会を窺う少女。

 口元に笑みさえ浮かべている。

「レインボーシュート」

 狼にすべての玉を集める。

 そう、魔獣を倒せば男も戦闘不能になる。

 色とりどりの玉が狼を捉える。

 狼は消え、男もその場に倒れる。


「この間の薬の売人がやられたときのビデオです」

 スーツの男が説明をする。

「ああ、うちの売人が3人、とっつかまった」

 スキンヘッドの大男が呻く。

 丸太のような太い腕には蛇のタトゥが絡み付いている。

「この程度のやつらに?」

 薄ら笑いを浮かべる女性。

 胸元の大きく開いたドレス。

 アップした金色の髪。

 真っ赤なルージュ。

 恐いくらいに妖艶な女性だ。

「なにをっ」

 席を立つ大きな男。

「まあまあ、玄武さん」

 スーツの男が大男と女の間に立つ。

「それでどうしようっていうんだ」

 いらいらしたようにサングラスにリーゼントの男。

 足を組んで一人座っている。

「そろそろ目障りになってきましたね。

 テレビではしゃいでるうちは良かったのですが・・・」

「ここを支配しているのが誰だかわからせないといけねえな。」

 大男が口を挟む。

「気にいらねぇな。こいつら、街を守ってんだろ。

 まあ、どっちにせよ薬の売人をやられたって自業自得じゃねえか」

「なんだと!」

 吼える大男。

「総長の意思に反するって言ってんだよ。

 もともと俺らはこの街を守るためにまとまったんじゃねえか。

 この街を4つに分けて、それぞれのエリアを侵さねぇってな」

 男はサングラスをはずす、

 両目のあるべきところに光がない。

 横に一直線の大きな傷。

 

 画面は胡桃に移る。

 こっちの敵も猛獣使いだ。

 黒豹を使う。

 コンビネーション攻撃も同じ。

 でも、黒豹は猫科、犬科の狼と動きが違う。

 どっちかっていうと狼は直線的なのに対し、黒豹は変幻自在。

 胡桃の拳も完全には当たらない。

 それと、男は拳法使いらしく、鋭い蹴りと突きを放ってくる。

 でも、胡桃の顔にも笑顔が見える。

 黒豹が飛び上がる。

 胡桃の眼が光る

「ライトニングラッシュ」

 空中では方向を変えられない。

 黒豹の懐に飛び込んで、パンチの嵐を食らわせる。

 黒豹は空中に静止する。

 胡桃の青く光る拳が無数の残像を描く。

 黒豹が消えると男は倒れこむ。


「まあまあ、

 その時のことを知るのはここではあなた一人です。

 総長も先代玄武の命と

 あなたの目を奪ったやつらを追って・・・

 朱雀さんも消えてしまいましたしね」

「ああ・・・5年になる・・・

 おまえの兄・・・白虎もな」

「そろそろ新しい総長をきめる必要があるのではと思うんですが」

「フフ・・・それが今回の議題というわけね」

 女が口を挟む。

「で、どうやって決めるんだ」

 玄武という大男が眼を輝かせる。

「そうですね。公平に選挙といきたいところなんですが」

「まず、決まらねえな」

 大男が腕をさする。

「そうでしょうね。

 だから簡単なゲームを考えました。

 一石二鳥のね」

 眼鏡の男が提案をする。


 画面に美耶子がクローズアップされる。

 対峙するのはライオンを連れた男。

 腰には日本刀を下げている。

 美耶子が近づくと、鞘から刀が抜き放たれる。

 居合い。

 一種の飛び道具みたいな刀術。

 美耶子は紙一重で避ける。

 しかし、それを追いかけるライオンの爪。

 前の二人の敵とは桁違いの強さ。

 まだ、間合いが計れない。

 どちらも手をだせない・・・対峙したままになる。


 いきなり美耶子が前に飛び出す。

 すごいスピードで・・・・

 男は刀を抜く。

「見切ったよ」

 とんでもないスピードで宙返りして後ろに戻る。

 しかし、その着地点にはライオンが迫る。

 大きな口を開けて。

「アルティメットダンク!」

 いつのまにか美耶子の手にはオレンジ色の光のボールが現れている。

 ちょうどバスケットボールぐらいの・・・・

 そのボールをライオンの口に押し込む。

 ダンクシュートをするみたいに。

 ライオンの身体が消える。

 そして、男は日本刀をついてその場に座り込んだ。


「おもしろそうね」

 黒いドレスの女が腕を組む。

「朱雀・・・」

 リーゼントの男が呻く。

「あら、わたしは総長の手下になった覚えはないわ。

 先代の朱雀でしょ。

 あなたたちとつるんでたの。」

「おまえも二代目だったよな。玄武もそうだが・・・」

「どんなゲームなの?」

 朱雀という女は眼鏡の男に向き直る。

 画面にはウィッチーズの3人が映し出される。

「魔女狩りといきませんか。

 この娘たちは12人います。

 何人倒すかで総長を決めましょう。

 方法や人数は特に決めません。

 あくまで、数で決めるのがシンプルでいいと思うんですがね」

「いいぜ、俺は。こいつらに恨みもあるしな」

 玄武と呼ばれる男は力いっぱいテーブルを叩く。

 テーブルは真っ二つに割れる。

「フフ・・・どんな手を使ってもいいのね。楽しみだわ。

 この子たちどうやって可愛がってあげようかな。」

 朱雀と呼ばれる女はぞっとするような笑顔を浮かべる。 

「俺は反対だな」

 リーゼントの男がまたサングラスをする。

「それでは多数決ですね」

「異論なし!」

 はしゃぐ朱雀という女。

「では・・・賛成のかた」

 玄武、朱雀、スーツの男が手を上げる。


「決定ですね。

 では、明日の正午がスタートです。

 みなさん、ご健闘を・・・」

「勝手にしろ!俺は降りる」

 サングラスの男は椅子を蹴って部屋を出て行った。


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