18 業火の踊り手
走りながら穂村の両手が炎に包まれる。
対する優奈の手には氷の剣…
3連リング装着だからフローズンワールドは使えない。
穂村が優奈の懐に入り込む。
剣を振り下ろす優奈…
それを炎の両手で受け止める…
溶けて2つに折れる氷の剣…
優菜は、後ろに離れる…
炎は氷にとって相性が悪い。
間髪入れずに攻め込む穂村…
まるで踊るように…
体術自身はたいしたことないけど、
その両手が厄介だ。
触れるものを燃やしてしまう。
でも、優菜も同じ。
触れるものをすべて凍らせる手。
フローズンワールドまで行かないが、局部的には効果がある。
それでも、穂村の連撃は続く。
優菜が防戦一方になる。
優菜は氷のシールドをはる。
穂村の2、3撃でシールドは崩れ落ちる。
だんだん、リングの端に優菜が追い詰められる。
「そろそろ終わりだよ」
穂村はそう言うと、両手を広げる。
「ファイアーオーシャン!」
優菜のすぐ後ろ、場外に炎のじゅうたんが広がる。
もう、場外にも逃れられない。
「行くよっ」
また、炎の拳によるラッシュが始まる。
必死で楯で防ぐ優菜…
楯はすぐに融けて崩れる。
その間隙を縫って、穂村の拳が優菜のボディを捉える。
リング外に落ちる優菜。
そのとたん、待ち構えていたかのように、優菜を業火が包み込んだ。