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収録は3回目でOKになる。
胡桃も気をとりなおして、NGなし。
歌の収録もあんまり問題なく終わる。
今日は白い背景の中でやったんだけど、
あとは合成で背景とかつけてくれるらしい。
どんなのになるかすごい楽しみ。
「おつかれさん」
美那子さんがわたしの肩をポンって叩く。
「お疲れ様です」
満面の笑顔で返す。
「ねぇ、沙耶香っ。この子わたしのユニットにくれない?」
美那子さんがわたしの肩に手をまわす。
「だめだよっ。わたしの妹なんだから」
愛莉さんがすかさずわたしの手をひっぱる。
先輩たちがじゃれている中にいるわたし。
なんかくすぐったい感じ。
「じゃあ胡桃をもらうよっ」
沙耶香さんが胡桃の後ろに行く。
「あっ、それだめっ」
美那子さんが胡桃を取り戻す。
落ち込んでた胡桃に笑顔が戻る。
「胡桃はわたしの妹なんだから」
「じゃあ駄目ジャン。4人になっちゃうし」
「リーダーの権限でユニット4人づつにしようかなぁ」
その時、美那子さんの携帯が鳴る。
「あ・・・はい・・・」
携帯をたたむと険しい顔になる美那子さん・・・
「出動だよ。麻薬の売人がビルに立てこもってる。胡桃っ、美月いくよっ」
「はいっ」
胡桃と声がそろう。
顔をみあわせてニコッって笑う。
美那子さんについて車に走る。
「ぐずぐずするんじゃないよ」
「はいっ」
動く車の中で着替えるわたしたち。
胡桃はグローブをつける。
わたしはロッドを持つ。
「敵は3人。全部魔獣使い。一人づつ相手するよっ。倒したら他の子のフォロー。カメラ回ってないから秒殺でいいよ」
作戦は単純。
ドアが開いて、わたしたちは外に飛び出す。
美那子さんに続いて走る。
目の前のドアに美那子さんの出す光弾があたる。
爆発音と閃光。
その音に気がついた男たちがドアから飛び出てくる。
3人・・・・
よぉし、やるぞぉ
わたしと胡桃は身構える。
わたしたちのLOVE☆WITCHESははじまったばかりだった・・・