15 意地対意地
「これで終わりだな」
白虎さんにアピールするグローブ。
反則みたいな力…
でもどっちもリングをしてるから、死者が出ないだけ…
まあ、胡桃もがんばったよ…
あとはみんながなんとかしてくれる…
こんなに強いのばっかじゃないと思う…
白虎さんはカウントを始める…
20カウントで胡桃の負け…
10…
11…
12…
13…
14…
15…
「まだ、負けてないよ」
リングの下から胡桃が起き上がる…・
16…
17…
無情に続けられるカウント…
白虎さんはこういうとき手加減とかなさそう…
18…
胡桃はリングに上がってファイテングポーズ…
なんとかセーフ…
でも、同じこと…
胡桃に打つ手なんてない…・
「そういうことか。
うん」
でも、胡桃の唇の端が上がる。
ぜんぜん負けるなんて思ってない表情。
また、距離を詰める。
拳が青く光る。
「来なよ」
麻耶を挑発する。
麻耶が拳を出す。
って言うか。
宝具が勝手に動いてるって感じ。
そのパンチに胡桃があわせる。
普通、パンチをかいくぐるものだけど、
パンチに叩きつけるように。
「この、うるせえグローブを壊せばいいんだろ。
ライトニング・ラッシュ…」
胡桃が無数のパンチを繰り出す。
そのすべてを麻耶のグローブが受け止める。
ボロボロになったグローブ。
でも、まだファイティングポーズをとる。
「俺も宝具だからな。
おまえらと同じで負けるわけにいかないんだよ。
このお嬢ちゃんには悪いんだが。
負けを認めるわけにはいかないんだ」
傷だらけのグローブは息絶え絶えにしゃべる。
「うちらと同じだよ。
うちらも負けるわけにはいかないんだよ。
さあ、終わりにするよ」
胡桃の拳がさらに青く光る。
「ファイナル!」
胡桃が大きな構えからパンチを繰り出す。
麻耶のグローブをめがけて。
「だめぇぇぇぇぇ」
そのパンチを麻耶の背中がさえぎった。