12 戦いの火蓋
セレモニーが終わり、
わたしたちは控え室に引き上げる…
リングには白虎さんが残り、
リング上でアナウンサーとかと何か打ち合わせをしている。
ルールとかそういうの。
レフリーストップはみんな彼らに任せられてるらしい。
アナウンサーが前に出る…
「それでは第一試合!」
「赤コーナー、
ライトニングラッシュ…藤崎胡桃~」
独特の節回しで紹介する…
花道がライトに照らされて…
胡桃が走ってくる…
女の子たちの歓声…
胡桃は女子の方に人気がある…
リングに飛び上がって…
クルンと一回転して着地する…
さすがに抜群の身体能力だ。
リングの中央までいくと、
赤いグローブを構えて、軽くシャドーをする。
「青コーナー、
破砕の両拳…・岩崎麻耶~」
えっ?
岩崎麻耶?
一瞬だけ高校で同級生だった子…
最初は敵対して絡んできて、
あとは友達になったっけ…
明るくなった花道をBLACK★WITCHESがゆっくり歩いてくる。
黒いフードを羽織った3人。
真ん中がマヤリンだと思う…
BLACK★WITCHESの戦闘DVDなんて発売されていない。
でも、麻耶リンの力はわかっている。
胡桃と同じ格闘系。
それも力があるだけ…
胡桃にかかったら瞬殺だと思うけど…
まあ、LOVE★WITCHESは全戦楽勝だよ。
だって、すごい厳しいトレーニングしてるし、
絶対、にわかじこみでは相手にならない。
麻耶がマントを取る。
やっぱり、銀色のストレートヘヤーに小麦色の肌。
デニムのショートパンツと豹柄のタンクトップをラフに着ている。
両手には大きな青いグローブ…
胡桃が指だけ出しているのに対し、
完全にボクシング用みたいなグローブ…
それも、ちょっと古びた感じで、ところどころ色がはげている。
麻耶リンってあんなの持ってたっけ?
麻耶リンはシャドーとかせずにかったるそうに胡桃の前に立つ。
白虎さんが、両者の中央に立ち、
3連リングを確認する。
それから、ルールを確認。
っていっても、決着はギブアップ、気絶、レフリーストップ、場外20カウント、試合放棄だけ。
白虎さんは2人を離す。
両者はコーナーへ…
胡桃は1人…
麻耶リンはセコンドの2人と何か打ち合わせてる…
セコンドはまだマントを取らない…
栞くらいの小さな子と…
180cmくらいの背の高い子…
胡桃と麻耶リンは中央に近づく…
白虎さんが合図をする。
カーーーーン!!!
ゴングが鳴る。
わたしたちの戦いの火蓋が今切られた。