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08 任命
任命が終わると、
おめでとうの嵐。
わたしや胡桃はみんなにもみくちゃにされる。
春香はすくっと立って、
安城さんの方へ…
そして…
一言…
「私には納得できません」
教室は静まり返る。
「風楽沢さん。
どうして?」
「ええ、藤崎さんと氷室さんはわかります。
でも、海崎さんはまだ早いと思います」
えっ…
確かにそうだけど…
「あなたが、メンバーになった方がいいということ?」
「いえ…
そういうわけでは…
でも、美月…いえ…海崎さんはもっと練習をつんでから…
もしくは…」
「もしくは?」
「私と一緒にメンバーになるのがいいと思います」
「あなたの言うことはわかるわ。
でもね。
これは決定なの」
「わかりました…」
春香はそう言うと、ひとりで教室を飛び出した。
あとはヒソヒソと春香のことを言い合う声…
わたしはみんなをすり抜け春香に続いて教室を飛び出した。