05 獅子の弱点
春香の円月輪が、獅子の首をかききる。
でも…
獅子の動きは止まらない…
春香は跳ね返ってきた円月輪をつかみ…
今度は縦回転で魔獣の眉間を狙う…
でも…・
また跳ね返される…
シミュレーターでは、コアに当たらないとダメージにならない。
「頭じゃないの???
どこっ???」
不安そうな春香…
めちゃくちゃに円月輪を投げるだけ…
こんなに混乱した春香は初めて見る。
とりあえず、
わたしもフォーメーションを変える…
春香を守るように前に光玉を集める…
あれっ…・
あそこで光ってるの…
魔獣のしっぽの先…
なんで光ってるの???
「風楽沢さん。
しっぽっ!」
「バカっ!そんな心臓でも頭でもないとこにコアがわるわけないよ!」
春香は、無茶苦茶に円月輪を投げるだけ、
魔獣の足止めにはなるけど…
このままじゃ倒せない。
時間切れも迫ってるし…
やってみるかぁ。
わたしは6個の玉をライオンの正面からぶつける。
「何やってんの!
逃げられちゃうじゃん!
美月は後方からだよっ!」
ヒステリックに叫ぶ春香。
わたしは7つめの玉に念じる。
わかったって言うように縦に揺れる赤い玉。
そして、赤い玉は急降下して、
獣の光るしっぽの先をとらえた。