04 双頭の獅子
春香の円月輪っていうのは、
直径1メートルくらいの輪で…
外側が刃になっている。
フリスビーみたいに投げて相手を斬るか。
手に持って斬りつけるとか変幻自在って感じの武器だ。
それだけでなく、
春香の場合…
どうなってるかわかんないけど…
マジシャンみたく
つながったり、
離れたりする。
本物の宝具は大きささえ変えるけど、
普通のはそこまでできない。
でも、双頭のライオンってコアはどこなんだろ?
ただ勝てばいいだけじゃなくて、
そういうのも安城さんがチェックしている。
獣系は頭だったような???
でも2つあるし…
でも、アタッカーは春香だから大丈夫。
安城さんの思惑通りに倒すと思う。
魔獣は春香の放った円月輪を難なくかわす。
こいつ思ったより素早いよ。
円月輪は春香の方に戻ってくる。
どう投げたら戻るのかわかんないけど…
それを両手で受け取る春香…
外側が刃だから受けるのも難易度の高い武器だ。
たぶん、春香は様子をみただけ…
ランクCって言われてるけど…
魔獣の動きをインプットする。
「行くよっ!」
わたしに声をかける。
わたしがうなづくのを確認して魔獣を向く。
わたしは後ろの光玉を魔獣にぶつける。
多分、力をセーブした光玉は効果がない。
でも、魔獣を怒らせることはできる。
いきなり魔獣はこっちに突っ込んでくる。
春香がその前に立ちふさがる。
円月輪を両手に持ったまま。
「これで、終わりよ!」
春香も前に駆け出す。
円月輪を手に構えて…・
「2つの頭を同時に潰す。
これが正解だよっ」
すれ違う瞬間…・
春香は円月輪を両方の頭の首筋に叩き込んだ。