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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第4部 BLACK★WITCHES
105/344

02 風楽沢春香

 チャイムの音。

 

 ドタバタとみんなの足音。

 雑然としていた教室が、

 急に整然となる。


 静かにドアが開いて、

 安城さんが教室に入ってくる。


「起立!」

 春香が号令する。

 みんな背筋を伸ばして…

「敬礼!」

 ビシッと決める。

 遅れたりしたら、後で春香の説教が待っている。

「着席!」

 みんな一斉に客席。

 そう、一糸乱れぬ軍隊式の挨拶だ。

 でも、これがダンスとかにも生きるらしい。


 そして、20人のクラスの学級委員に任命されてるのが、

 となりの席の風楽沢春香。

 まさにアニメでよくある生徒会長キャラ。

 まじめで、何をとっても一番みたいな。

 特に成績はだれもまねができない。

 LOVE★WITCHESのメンバーにいちばん近いって言われてるし、

 誰も否定できない。


 子役としてデビューして、

 いろいろなドラマとかで準主役を張ってたってこともあるし。

 主題歌のCDなんかも出したことがあるらしい。

 経験、実力ともに完璧だ。


「おはよう」

 安城さんが微笑む。

 30歳くらい、金縁の眼鏡とチェーン、それとビシッとスーツを決めている教官。

 LOVE★WITCHES候補生の担任。

 そして、最終的にメンバーにはいれるかどうかは、安城さんにかかっているらしい。

 LOVE★WITCHESの発足から、代表の卑弥香さんの右腕として裏方に徹している。

 フォースという特別な力を持ってるかどうかも不明。

 でも、迫力はどの教官にも負けない。

 

「では、昨日のテストを返します」 

 テストの束を教壇に置く。

「満点は一人。

 風楽沢さん」

 春香が立ち上がる。

 いつものことだ。

 教壇まで行って受けとる。

 でも、表情はかわらない。

 当然って感じで。


 ひとりひとり名前が呼ばれる。

 ここではみんながライバル。

 でも、あんまりそんな感じはしない。

 友達の結果を喜んだり、一緒に悩んだりって感じで。

 あとは優菜が春香と競うくらいで、

 似たりよったりの成績。

 で、特に悪いのがわたし。


「海崎さん。

 35点。

 もっとがんばってね」

 テストを受け取って、舌を出すわたし。


 まあ、学科は苦手だけど、

 実技は得意だし、

 いいかぁ、

 みたいな感じ…


 でも、春香は違う…

 あとで、お小言の一つも覚悟しないと…


 春香がイライラするのはわかる…


 春香とわたしは、

 出席番号が続いてる。

 大体は出席番号順だからグループに分かれる時は、

 2人でも3人でも、いつも同じグループ…・


 完璧主義の春香には、

 わたしがチャラチャラしてるように見えるんだろうな。

 いろいろ考えるのって苦手だし…


 まあ、わたしは次のメンバーを目指してないし…

 もっと力つけないと、先輩たちに迷惑がかかるのはわかっている。

 学科だってそう…


 春香なら、今すぐにでもメンバーとして活躍できそうだけど…

 なんかプロ意識ありすぎて、浮いてるっていうか…

 もっと楽しんでもいいよねっておもうこともある。

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