1-6 聖女 高城命
見直す時間がない・・・
僕の能力は何とも微妙である。
その中でも唯一強力と言っていいもの、・・・多用すると後が大変だけど・・・その能力を使用する。
能力:友達召喚(離れている友を瞬時に呼び出せる、ただし相手の許可が必要・・・・また、その友の友人も両者が合意すれば召喚可能・・・制限時間は1日30分)
うん、僕は猫型ロボットやランプ魔人に頼る少年かぁー!
なんとも他力本願な能力だが、それでもこれは僕の能力だ。
さっそく絶を呼ぼうとしたら拒否された!!!
この能力は相手の合意が必要だから時と場合によっては誰も来てくれない。
しかも、状況も伝えることができないから緊急の案件以外で呼ぶとオオカミ少年よろしく誰も応じてくれなくなる。
(!絶、命、ヘルプー!絶体絶命だよ、絶命兄妹!?)
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そーちゃんの能力は何とも微妙なところがある・・・・それでも、私はその能力がそーちゃんらしいと思う。
たまにイラッと来るけど・・・・
私の能力は私一人だとあまり効果がない(一つを除いて)、しかしあのお気楽少年は友達の友達は友達らしい、
そういう考えだから私の友も呼べるのだろう。
その結果、私は100人の天族とともに転移することができる。
が、これは最悪の結果になってしまった。
まず最初にひどい臭い、暗い、生暖かい空間に102人がすし詰め状態になった。
「ねぇー、これはどうゆう状況???」
私と同じくらい小柄なそーちゃんを抱き着くような状態、満員電車の中のような状況で目の前の少年に優しく問う。
笑顔でいないとこの少年をやってしまいそうだ。
「あはははー、ただいま竜に捕食されてる最中だよ!助けてー!」
(このクソガキ!!!)
少しキレてすぐに冷静になる。
自分能力なら何の問題もない。臭いだろうが、消化液だろうが、すべて防ぎ遮断する。
能力を発動させて101人の体が光に包まれる。
私の周りに輝く神秘の光こそ私の聖域、なにものにも侵されない究極の守りである。
(・・・・でも狭い、気持ち悪い・・・)
長い付き合いなので特に気にしないけど、元の世界なら痴漢で逮捕されるのではと思えるほどそーちゃんと密着してる。
「はぁあー、メタトロン転移して!!!」
白銀の長髪の少女が全身で発光した瞬間、体が浮く感覚とともに風景が森林に代わる。
「おおー、ありがとう!メタちゃん助かったぁぁぁ!」
心底安心した顔が恨めしい・・・・まあ、いつものことか、長い付き合いこんなことは気にしない。問題は、私にお礼は?
メタトロン(これも空が命名、主人が変わるとき名前も変えるのが魔族と天族のルールらしい)は照れたように俯きながら笑みを零す。よく懐いている。
ジッーと見つめていると、メタトロンが少し怯えたので気を取り直して、
「で、今回の相手はアレ?」
緑の竜を見ながら、微笑む、あんまり可愛くないな・・・・
「うん、お願い」
満開の笑みで言われたらもう何も言えない。ただ、あとでお仕置き決定ね。
「はいはい、了解。じゃ、久々にいきましょうか!」
天族全員に指示を出す、急に自分の腹から現れた敵に緑の竜が吠える。
「ウガァッァァッァアアアアアアアァァーーー!!!」
はぁ、本当にかわいくない、ブサカエルかな?
能力により全員に光が宿る。私の能力により決して傷つかない無敵の軍、能力も最大限強化されたメタトロンが号令をかける。
「マスターのため、全員死力を尽くせ。」
普段の優しい面影はなく厳しい顔つきで、メタトロンは紺碧と白銀の戦装束に身を包み白銀の軍を指揮する。
一切の穢れなき神話の軍隊。
最強の竜種でも少し色めき立つ。
しかし前進する以外にあの竜には手段がない、本能が撤退を叫んでもそれを許してくれる相手ではない。
翼を広げ全力で突撃する。翼竜の最強攻撃、物量による圧倒的な力、大きさ的に虫と人間の手のひらくらいの差がある竜が猛スピードで迫る。
天使たちは剣を構える。隊列を組んで竜の突進に備える100人の軍隊。
その最後列にいるメタトロンは後ろにいる自分たちの主とその友を守ろため、白銀の少女は背中から大量の翼を広げ、主の能力で最大まで引き上げられた能力を存分に発揮する。
「さあ、遠慮はなし、思う存分あなたたちの力を見せつけなさい!」「「「イエス、マスター!!!」」」
白銀の光が輝き、天をも貫く巨大な炎の柱が緑の巨竜を飲み込む。木々は燃えずにただ緑色の汚濁のみを打ち消した。
「お疲れさま、メタトロン!」「はい!!!」
嬉しそうに、返事をする白銀の少女とうしろで呑気に笑っている少年。とりあえず叱ろ。
そんなこと思いながら遠くで暗躍しているであろう兄のことを考える。
「さて、合流したことだし、・・・ゲームスタートかしら?」
光が降り注ぎ騒がしく勝鬨を上げる天族、あたり一面平地になった森林の一角に喧噪が響く。
とりあえずある程度書いてから修正します。