プロローグ 一年前・・・・
頑張ります。
目が覚めると異世界にいた。
明らかに元いた世界と違う空、鮮やかな緑色が広がっていて、太陽も二つ。見たこともない怪鳥が空を飛ぶ。
「うん、間違いなく異世界・・・・」
気を失っていたのか草原の真ん中で横たわっていた。
背中には柔らかい草の感触、風に乗ってくる青臭い草の香り、暖かな陽光に定番の頬をつねり、痛覚も本物、
夢かなぁーなんて現実逃避も意味がないな・・・・
天地空≪あまちそら≫は普通の高校生になるはずだった。
「だった」とは、高校入学前に・・・・正確には入学式前日に異世界に転移をしてしまったからだ。
近くには同じ高校に入学するよ予定だった幼馴染の双子の兄妹がいる。
同じく入学式に向かう途中だったので僕たち3人は制服姿だ。
「あ、そっちゃん起きた?」「おはよー、よく寝てたよそーちゃん!」
そっちゃんと僕を呼ぶのが兄の高城絶≪たかじょうぜつ≫、
そーちゃんと呼ぶのが妹の高城命≪たかじょうめい≫
あまり似てないけどどちらもタイプの好青年美少女、黒ぽい緑の長髪にいつも笑顔をはりつけた親友兼悪友である。
明るい赤い髪が肩まで伸びた。こちらは自然な笑みの親友兼妹分でどちらも大切な存在だ。
幼馴染で頼りになるこの2人がいることで、僕は異世界でもそこまで焦らずにいられた。
なんで異世界にいるのか?疑問に思っていると思わぬところから、
「あ、異世界にいる理由なら分かるよ♪」
兄の方が非常事態にもかかわらずいつもの調子で明るく教えてくれた。
昔からなんでも見透かしたようなところがあり、その先見性と洞察力により天才というしかない。
(まさか異世界のことも知ってるの?)
とりあえず話しを聞くと、
この世界では現在、魔族と天族という種族が絶賛戦争中で巻き添えで滅ぼされそうな僕たちと同じ人間の国、公国、王国、帝国の三国が救世主を呼ぼうと協力し見事に儀式が失敗・・・・?
えっ!失敗しちゃったの?・・・・
「てなわけで、俺らここに放置されました♪めでたしめでたし。あははぁ!」「いや、めでたくない!!笑えない!!」
つっこだけど、絶はいつもこんなだから仕方ないか・・・・?
「その情報何処で手に入れたの?」「あ、超能力みたいなものがこの世界にあるみたいでそれのおかげだよ♪メサイヤには勝手に備わるみたい!」「マジ!!!」
異世界と言いもう何でもありなのかな?
しかし、僕もロマンある男である能力と異能に心踊らされる。派手で格好いいのがいいなぁ。
そんなこと思いながら試しに能力について調べようとすると、頭に漠然としたイメージが浮かんだ。
結果は3つ、それも微妙なものばかり・・・
(・・・友・・召喚の絆?・・・不変に・・・変革の追加?・・・状況に・・・・観察・・結果???)
頭に浮かぶイメージを言葉にするもいまいち理解できないのもあるが、望んだような俺TUEEEE!のような能力だはない・・・
「二人の能力は・・・?」
とても自分の能力を言う気にはなれなくて聞いてみた。
話をまとめると能力は1人が3つまで所有しているらしい。
問題なのは2人の能力だが・・・大雑把な説明によると、
高城絶
能力:全知回路(ありとあらゆる情報を知ることができる)、万物創造(ありとあらゆるもの創り出せる)、超越技能(ありとあらゆる技術を使いこなす)
高城命
能力:絶対支配(ありとあらゆるものを支配できる)、神聖領域(ありとあらゆる攻撃を無効できる)全能祝福(ありとあらゆる能力を最大まで強化できる。)
僕は2人の能力に名前を付け、細かいところは分からないけど大体の能力を把握した。TUEEE!!!
なんだろ、この2人は昔からいろいろと天才や神童などと言われてきたけど、これはもう反則やチートの領域じゃ・・・・
「そーちゃんは?」「・・・・」「あーぁ・・・!」
黙秘で察してくれたみたいだ。嬉しくないけど・・・・
「まあ、そっちゃんはいつも通りのんびりしててよ♪」「そうそう、私たちがいつも通り片づけるから」「「じゃ、魔族も天族も片づけますか!」ましょう!」
まあ、確かにこの超人双子に任せればどうにでもなるか、それより彼女は心配してるかな?
おそらく今頃入学式で僕らを探しているだろ、もう一人の幼馴染のことが頭をよぎる。
(大丈夫、忘れてないよ約束だ必ず君に会いに行く!!!)
強い決意とともに、今は自分にできることに集中することにした。
2人は早速現在地が人間領と魔族領の中間せあると知り、まずは魔族を天族を倒して戦争を止めることに
(うん、救世主ならまず世界を救わないとねぇ!)
定番の目的を掲げ、元の世界に帰る手段を探すことにする。普通なら世界を救ううなどという大業偉業をついでみたいに言うのはどうかと思うが、幼馴染の常識外れぷりなら平気かなーとも思う。
「あれ、そういえば人間の国は?」「めんどいから無視で♪」
絶らしい・・・・まあ、正直に自分たちは少し異常だからこれくらいのノリが丁度いいのか
・・・・どうせ、世界を救えば同じことか・・・そう思いながら3人は歩き出す。
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