雨宿り
もう一度人生をやり直したい?
答えはYesに決まってる。
私は、天使の手を取っ手、勝気に笑った。
もう一度!!
シンシンシン
涼しげな鈴の音は、私の耳に近づいてくる。サンタさんをのせたそりが、プレゼントをいっぱい持って近づいてくる。プレゼントのリボンをほどいたら、私の世界は色づいた。
シンシンシン シンシンシン
鈴の音が、耳の近くでなった時にわたしは、夢からさめた。目を開けるとそこには、サンタではなく銀色の髪がキラキラと光り、背中に翼がはえた少女が水面に写っていた。
…ここはどこだろう?
私は、水面に座っている。
普通じゃありえない出来事なのに、なぜか頭は理解してた。
水面に写っていた少女が翼を羽ばたかせながら近づいてきた。羽が動くたび鈴の音が鳴り響く。天使だ。確信はないが、なぜかそう思った。
シンシンシン
少女は、私に手を伸ばした。
白くて細い指が、私に差し出された。
少女はこっちを見つめている。
もう一度人生をやりなおしたい?
少女の綺麗な目には、美人なお姉さんが写ってた。
これは私?
そばかすが多かったほおは、ファンデーションを塗った時のように真っ白で、たらこ唇だった唇は、グロスが塗った時のようにつややかで上品だ。一番のコンプレックスだった小さい目は、真っ黒な瞳が知的に輝き、パッチリとした二重で私を見つめている。
いつも思ってたことでしょ?
この世の中顔がいい方が得だって。
これは私だ!
私は、天使の手を取った。瞳に写った私は、勝気に笑ってた。
天使がニコッと微笑んだ時、私は、水面に座っていられなくなり、湖の底へ、沈んで行った。
湖の底は、とても暖かくてまた、眠くなってきた。
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