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「そろそろ帰ろう。家まで送るよ」
先輩が、優しい笑顔で言ってくれた。
「駅まででいいですよ。兄と待ち合わせしてるので…」
わたしは、そう答えていた。
「そっか……」
先輩は、少し寂しそうな声音で言う。
そんな風にされると、少し辛い。
今日でお別れだなんて……。
もっと、いろんな事を話したい。
でも口に出せなくて、黙々と歩くしかなかった。
駅に辿り着くと。
「じゃあ、またな」
って、先輩が笑顔で言う。
「先輩。今日一日ありがとうございました。とても楽しかったです」
わたしは、涙を堪えて笑顔を張り付けて、明るい声で言うとその場を走り去った。
涙、見られてないよね。
改札口まで行くとお兄ちゃんが待っててくれた。
「楽しめたか?」
って、神妙な顔をして聞いてきた。
「うん。楽しかったよ」
わたしは笑顔でそう答えた。
「そっか、良かったな。……告白はしたのか?」
お兄ちゃんの問いに首を横に振った。
「……。ほら、お前の荷物」
お兄ちゃんにトランクを渡された。
「そろそろ行くか」
「うん」
改札口を潜り、空港近くのホテルに向かった。




