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アルシア  作者: senmo
プロローグ
1/5

プロローグ1

残酷な表現があります苦手な方はご遠慮ください。

6/5 16:00 手直し

お腹が空いたので揚げ物を買おうとコンビニに寄った。ホッターを覗き込むとチキンしか残っていない。まぁ仕方ないこれにするか。


軽くチキンを食べながら今日の晩御飯について悩む。連日の残業で疲れている上に、夜遅くスーパーは閉まっている。料理を作る気力も無いので家の近くで弁当でも買って帰ろうか。そう決めると家の近くにある弁当屋へと足を向ける。


偶に食べるジャンクフードは美味い、あっという間に食べきってしまう。ちょっとつまむ程度に買ったのだから当然なのだが、物足りなさを感じてしまう。チキンをもっと食べたい。うん、チキン南蛮にしよう。全然足りないとばかりに腹をさすりながら暗いトンネルに入っていく。


真っ暗なトンネルを躊躇無く進んでいく。このトンネルを抜けると近道だ、迂回するとかなり遠回りすることになるのでよく通る。少し進むといつもと違う違和感を感じ立ち止まる。すぐに目が暗闇になれ薄っすらと見えるはずの道が見えない。当たりを見回すが出口の明かりすら全く見えない。


「えっ・・・・」


思わず口から声が漏れる。完全な闇になっている。(わず)かに(ほう)けていたが異常な事態に背筋に寒気がのぼってくる。後ろを振り返っても見えるはずの入り口が見えない。全くの闇である。


「すいませーん」


溜まらず誰かを求めて声を出すが何の反応も無い。トンネルの中に居るはずなのに反響すらない。わけが分からない。心臓の鼓動が加速していく。何も見えない、いつもと違う異常な状況。自我の処理能力を超えた事態に思考が固まる。


支えを求めて手を壁に伸ばすがそこにある筈の壁に手が届かない。嫌な汗が噴出してくる。ちょっと壁から離れすぎていたのかもしれない、ふと思い出したように携帯を取り出し明かりを確保する。


「ひっ」


びくっと息をのむ。あるはずの壁が見えない。慌てて辺りを見回すが自分以外何も見えない。自分だけが携帯の明かりに照らされている異常な光景を目の当たりにし、パニックに陥る。


走って逃げたいのに地面すらまともに見えず足を踏み出すことが出来ない。震える手は鞄を落とし、四つんばいになって辺りの地面を手探りで確かめる。その手から伝わる感触はコンクリートではなく、妙に滑らかなプールの底を撫でているような不思議なものだった。


目で確認しようと携帯の明かりで照らしても光を吸収するかのような闇があるだけだ。意を決し、ガタガタと震えながら壁があるはずの方向にゆっくり這ったが一向に壁にあたらない。あまりの恐怖から涙が出てくる。頬を伝い顎から落ちた涙は闇に飲まれる様に消え地面を濡らすことがない。


分からない。全く分からない。あまりの恐怖で絶叫しそうになった時、不意に右手が地面にゆっくりと沈み始める。粘土を触る様な感覚に慌てて手を引くが、地面の変化は瞬く間に広がり四肢がゆっくりと沈み始める。


驚いて後ろに下がろうとするが、粘土のようだった地面はすでに泥沼のように柔らかく変化しており足を取られ満足に動けない。必死にもがくがその間にも地面はどんどん柔らかくなり底なし沼に嵌ったかのように沈んでいく。


抵抗する間も地面はどんどんと柔らかくなり沈む速度が上がっていく。もがけばもがくほど沈み、すでに体の半分ほど闇の中に消えている。


「助けて!誰か!」


片手を地面から引き抜き、闇から這い出そうと藁にもすがる思いで必死に手を伸ばす。助けを求め、何かを掴もうと彷徨わせる手は空を切るばかりで何も掴むことが出来ない。その間にも地面はどんどん柔らかく、次第に粘性すら無くなっていき水の様になってきている。


首から下が闇に消え、立ち泳ぎの要領であがくがどんどん飲まれてゆく。必死の抵抗も空しく恐怖に引きつった顔が沈んでいく。顔が飲まれ見えなくなるころには、精神に限界を迎え最後に見える片腕には意志の欠片も見えない。ついに空気のように変化した闇に、力が抜け項垂れた手が闇に飲まれる様に落ちていった。





勢いで書いた初作品、至らないところが多々あると思います。

誤字とか脱字とか・・・・・もう色々と。ご指摘頂けると幸いです。

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