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愛のある強制連行

作者: 安雲満
掲載日:2026/01/29

春日井榛花は玉巻木蓮花に呼び出され朝早くから咲瓊県へと向かっていた


春日井榛花は学生時代からの友人、玉巻木蓮花にやや強引に誘われ彼女の住む町へと朝早くから出かけていた

蓮花の住む地域には車で1時間半以上かかり交通状況によっては2時間かかってしまう場合もある。

蓮花と合流する時間はお昼前、合流場所は蓮花の住む屋敷近くにある駐車場

運転する車内で榛花は 

「参ったわね、全く強引なんだから」

と言いため息をついた。玉巻木蓮花は勘が強く鋭い観察眼を持つので隠してもすぐにバレてしまう。心が読めるのかと思う時は多々ある。

元々先輩後輩の関係から始まった仲なので蓮花には弱いのだ

「嘘はついていないわ嘘は、ただ言うのを避けていただけよ」

榛花はそう言うとドリンクホルダーに入れていたカフェオレ缶を掴み口にした。

何故向かっているかと言えば2週間前に時は遡る。

2週間前榛花は蓮花と電話で話をした。すぐに切ってしまったが蓮花は短い会話で榛花の不調に気付いたのだろう。

後日電話をかけて来た蓮花は開口一番強い口調で

「今すぐ私と会える日程を教えなさい、日程を調整して私の家に来る日を決めるのよ!!貴女のふざけた生活態度を鍛え直してあげるわ!!」

言うと榛花は内心狼狽えていたが狼狽えていたのを悟られない様に笑いながら

「あははっっ、ちょっと蓮花待ってふざけた生活態度ってなによそれ、大袈裟よ」

落ち着かせようとしたが蓮花は

“貴女の考えている事なんてお見通しよ”と言わんばかりにフンッと鼻を鳴らし

「隠しても無駄よ榛花、今貴女体調悪いでしょ

きっとろくでもない生活してるんじゃない?

仕事ばかりして外にも出ず引きこもって体調管理も出来ていないからこうなるのよ!!」

と言った。榛花は蓮花の苦言にぐうの音も出ず黙るしか無かった

蓮花は見た目がそうさせるのかおしとやかで物腰柔らかな印象らしい、全く冗談じゃない!!全然違うじゃない!!

・・・と榛花は思った。

普段は感情を露にしないがそれは感情をコントロールしているだけで火が付いたら止まらなくなってしまうタイプなだけなのだ

相手を思いやり心配する気持ちが強い余りにその気持ちが突っ走ると暴走が止まらない

ほら、こんな風に・・・

蓮花は興奮し始め

「全く!!あの家政婦一体何してるのよ!!

前からあの家政婦気に食わなかったのよね。この際辞めてもらった方がいいんじゃない?

よければ私がまともな人間を寄越してあげてもいいのよ」

家政婦の山中明美(やまなかあきみ)の事に触れた

人の家で働いている家政婦にこんな言い方をするのは正直やめて欲しい

確かに蓮花からしてみれば体調管理を任せるにはちょっと・・・と思われても仕方なかった。

榛花は暴走し始める蓮花を制止しようとして語気を込めて

「蓮花やめてよね、山中さんは関係ないでしょ?

私の家で働いている人にそんな事言うのはやめてちょうだい

彼女だって頑張って仕事しているの!!」

こう言った。すると蓮花は気まずそうに

「ごめん。家政婦の事は言いすぎたかもね、失言だったわ」

一応謝罪して失言を詫びた。・・・が

これだけは譲れなかった様で

「でもね榛花、私の勘が言っているの!!貴女は桂木に来て少しはリフレッシュすべきよ

桂木に行く日位仕事から離れるべきなの!!

それは決定事項よ!!

とにかく、私の所に来る日にちを早く決めなさい

返事待ってるわよ、それじゃあね」

一気に捲し立てると言って気が済んだのか一方的に電話を切ってしまった。

こうなると榛花には選択肢はない。オフを作るのか作らないのかだ。

結局蓮花の目に見えない圧に負けた榛花はオフの日を3日作り家政婦の山中昭美にはこの3日間は休んでもらう事にした。

折り返しの電話をかけ行く日を伝えるとご機嫌な声で

「美味しい物食べさせてあげるから楽しみにしててね。

榛花と会うの久しぶりだから今からわくわくしちゃう」

言われげんなりして電話を切った

これが 2週間前の事である。

蓮花はこうなったら問答無用で事を進めてしまうたとえ制止されたとしてもお構い無し

本人に一切悪気がなく相手を慮ばかっての行動だと分かるから拒み切れない

榛花は顔を赤らめ

「本当にもう参ったわね、ああ見えて優しいのよね嫌になっちゃう。

弱っている時に限って連絡寄越してくるのだから」

強がりを言った。
















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