7話 相談
ムジカは仲間と共にギルドのスペースに集まり、寛いでいた。
そしてタイミングを見計らって、ムジカは話を切り出した。
ムジカ「なぁ、地下種の王に挑んだパーティーの話は知ってるかい?」
少し眉をひそめながらムジカが話し出す。
カール「地下種の王って、ダンジョンの主だろ?」
ジョン「ああ、何だか戦闘もなく無事に帰還出来たってやつだよね?」
バーナード「変な話だなーって思ってたんだよ、それ」
皆が前のめりになって話に入ってきた。
ダニー「何しようってんだ?」
少し嫌な予感がしたダニーが先に打ち込んできた。
ムジカ「いや、話を収集した限りだと、どうやら会話して帰還できたっていうじゃないか。
ちょっと興味がわいてね」
ダニー「それで俺らも行こうってか?」
少し不満げにダニーが返す。
ムジカ「ああ。"交渉"出来るならしておきたいなって」
ジョン「交渉?」
ムジカ以外の皆が一様に不思議そうな顔をしている。
ムジカ「ああ。もし王に挑んで全滅したパーティーがあったら回収させてくれるかってね」
突拍子もない提案に驚いた。そんな何の得にもならない行為を彼らが認めるはずがない。
それが皆の感想だった。
カール「断られた上、ふざけた提案だってことで俺らが死んだらどうすんだよ!」
当然ともいえる反応だったが、ムジカは冷静に反論してきた。
ムジカ「言ったろ。帰還した連中は失礼な提案どころか、王を倒そうと挑んでいるんだ。
それなのに帰還できた。つまり交渉の余地はあるってことさね」
皆が口をつぐんで考え始めた。そして少し時が経ち、最初に反論したダニーが口を開く。
ダニー「いいぜ。乗ろう」
残った仲間は驚いたが、すぐに各自が自分の意見を再考し始めた。
結果は全員がムジカの提案に乗ることになった。
ムジカ「いいね。そうこなくちゃ」
バーナード「でも怖ぇぇよ」
少し弱気に返すのは最年少の彼だった。
カール「まあ皆帰還したって聞くから、大丈夫だろ」
ジョン「となると最下層か。確か地下13階だっけ?」
ムジカ「そうだね。あまり行く機会がない場所だ。少し探索して慣れたほうがいいかもしれない」
緊張した声でムジカが返答する。
ダニー「一応マッピングは終わってんだよな?ならば直接ボスの前に転移したほうがいいんじゃねーか」
ジョン「転移した先で遭遇戦とかが嫌だから、練習がてら探索しようってことじゃない?」
ムジカ「よく行く地下11階とはまた敵が違うからね。少し戦闘して感覚を取り戻そうと思ってね」
地下11階はよく遭難者が出る通称"悪魔の館"がある階層だ。何度行ったか分からないくらい訪問している階層であるが、最下層の13階ともなると手練れのパーティーしか訪問しない。
基本的に遺体回収も自身でやれる連中ばかりで、回収屋の出番がないのだ。
バーナード「まぁそうかー。違うもんな11階と」
下を向きながらバーナードが理解を示した。
ムジカ「ってことで、今日準備したら明日出発するよ。各自準備しな!」
リーダーの号令で各自がテーブルを立つと街へと消えていった。




