6話 鑑定屋
鑑定結果を待っていると、他のカウンターでは駆け出し冒険者と思われるパーティーがザワザワしていた。どうやら良い品を見つけたようだが、鑑定料が払えず、そのままでは没収されてしまうからだ。
店員から持ちかけられた条件を飲んだようで、1人を除いて全員が冒険者証を店員に渡していた。
売買や依頼、報酬受取り、冒険者の身分を証明する品が無いと、何も出来ない。それを奪われることで、今後も冒険者やるなら金を用意しろという店側の意思表示だ。
カウンターにあった鑑定済の品物をいくつか持ち帰ったところを見ると、あれを売却して工面するのだろう。
そんな光景を眺めていたら、店員から声をかけられた。
鑑定屋「今回の鑑定結果はこんなところですな」
鑑定屋は持ち込まれた物の鑑定結果を書いたメモを差し出した。
そして、カウンターの奥にある作業場所から他の店員が鑑定した物を運んできた。
カウンターの上にそれらが並べられていく。
ムジカは礼を言うと、メモを受け取り、カウンターの上に並べられた品々を皆と一緒に回収し、各自収納魔法を使ってとりあえず格納した。
鑑定屋を出るとムジカの元に面々が集まり、メモを覗き込んできた。
ケーブソード
フェアリーニードル
チェインブーツ
災いの斧
病めるメイス
シャープソード
氷の杖
炎のオーブ
MID.ポーション 3つ
毒消し 2つ
ちんもくのスクロール
ムジカ「当たりは氷の杖くらいかな。あとは金額的にはゴミさね」
ダニー「呪いの品はダブついていて、今後は買取り額を下げるとかいつもの武具屋が言ってたぞ」
バーナード「使えるジョブが地下種のカースナイト職だけだからなぁ。地下種の冒険者でカースナイトなんて何人もいないだろうよ」
ジョン「全部売却でいいんじゃないかな」
ムジカ「そうしようか」
バーナード「おっと!氷の杖だけは俺にくれ!氷属性魔法を使うときに装備して増強したい」
ムジカ「戦士としての武器と魔法使いとしての武器、瞬時に使い分けられるのかい?」
バーナード「そこは不安があるが、杖は腰に下げておいて、練習しておくよ」
ムジカ「イザってときに失敗しないよう、十分訓練しときな。怪しいレベルならこれまで通りの装備でしかダンジョン侵入を許可しないよ」
バーナード「わかった。わかった。威力増強できると言っても使いこなせないなら意味ないからな」
1つを除いてすべてを売却した。こうして資金を稼げるときに稼いでおかないと、余剰金が作れない。
余剰金を作る理由はもちろん孤児院へ寄付するためだ。我々の活動でダンジョン孤児を減らせても、これまで発生した孤児の生活費は必要だ。更に孤児はダンジョン孤児だけではない。様々な家庭の事情で発生する。
だから、ダンジョン孤児が減ったからといって、手を抜くことは出来ない。
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とまぁ、こんな感じで日々を過ごしている。
大聖堂クエストの1つに、闇の宝珠をダンジョンの王から回収しろというものがあり、どうやら最近、王に挑戦しているパーティーが複数出てきたと噂になっている。
王に挑み、勝利したわけではないのに無事帰還できた?何故だろうかと思ったら、どうやら戦闘にならずに逃げ帰ることを推奨され、実際に帰らせてくれたようだ。
嘘くさい話だと思ったが、実際に2パーティーがそうギルドに報告していると情報が入った。
ダンジョンの王は何を考えているんだ?
我々もダンジョンのボスに行ってみるか、仲間と相談することにした。




