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3話 遺体回収以外の仕事

 全滅パーティーの遺体回収以外にも仕事はある。

 仕方なく仲間を置き去りにしてダンジョンを脱出した冒険者から、仲間の救助を依頼されるパターンだ。

 実はこれを商売にしている保険屋がいるため、この仕事については保険屋の手が足りない時に手助けしている形だ。

 冒険者はダンジョンに探索に行く前に、帰還予定日を利用している宿屋かギルドに伝え、期日を過ぎても戻らないと宿屋が保険屋に依頼に行く。

 そして保険屋が回収パーティーを編成してダンジョンに潜るという流れだ。

 こちらは予め掛け捨ての保険料を支払っておくことで受けられるサービスであり、金銭的に辛い冒険者や駆け出し冒険者には縁のない制度である。

 皆が皆、利用している制度ではないため、中にはケチって探索に行き、事故って困る冒険者パーティーもある。また、普段から安全マージンを考えて行動するパーティーは、保険料をケチる傾向にある。

 彼らは、万が一の時には保険屋に超割高料金で回収を依頼することになるが、そっちのほうが期待値的に金銭を節約できると判断しているからこその選択肢である。

 

 私たちは普段、ギルドに詰めている。酒場とギルドで最近顔を見てないやつはいないか、そんな話を聞かないか情報収集するためだ。

 該当者がいれば、そいつのランクに合わせて、ダンジョンに捜索に行く。

 

 普通の冒険者ならダンジョン内の魔物などの皮を回収したり、過去の遺物や武具を回収して収入源にしている。

 我々はそんな事をするヒマが無い。

 ではどうやって活動資金を得ているのかと言うと、先ほどの保険屋からの依頼料や、大聖堂からの援助金がある。あとは探索に出ると敵からの戦利品があるため、それを売却して活動資金にしている。

 大聖堂は冒険者が居なくなると困るため、冒険者を救っている我々に僅かばかりの金銭を提供してくれる。

 保険屋はそこらの冒険者に回収の手伝いを依頼することもあるが、探索対象がダンジョン深層だと我々に依頼が来る。

 通常であれば、深層に行くような奴らは固定メンバーのパーティーであり、地上に待機組もいたりしてバックアップが取れている。だが、たまに事故やそこまで実力が無いパーティーが誤って深層に侵入し、未帰還となることがあるのだ。

 そういったメンツの回収、探索となると保険屋から声が掛かる事がある。滅多にないが。


 街で情報の収穫がない時はダンジョンに繰り出す。よく遺体があるのは、シークレットドアの先や状態異常をまき散らす敵がいる階層だ。なので、そこを巡回する。

 ダンジョンには虫や草、小動物以外に、獣人、幽霊、悪魔などがいる。後に述べたものほど深層で出会うことになる。

 獣人はコボルトやオーク、ゴブリン、リズマン、ワービーストなどがいるが、冒険者として活動している獣人もいるから、闇雲に攻撃を仕掛けるわけにいかない。

 因みにホーリーナイトのメンバーは全員人間種だ。エルフやドワーフなども地上にはいるが、孤児院では同じ種族で偶然固まったため、こうなっただけで、別に種族差別ではない。

 私にエルフの美貌があれば、"ムジカおばさん"なんて呼ばれなかっただろうに、クソっ。

 そろそろ、我々のある日の活動日記でも紹介しておこうか。


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