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37 商業ギルド①


 「ここが商業ギルドです。」



 ロティがそう言って立ち止まったのは、一際大きな石造りの建物の前だった。4階建てほどはありそうな建物で、中へ入ると3階建てのようだ。1階の天井がかなり高い。そして半来客スペース分は吹き抜けのようだ。

 半分ほどのところから入口近くにかけてL字にカウンターが並んでいた。

 正面左側には立派な階段がゆったりとしたカーブを描いて降りていた。

 階段の登り口には、兵士が立っている。

 物語に出てくるギルドのお上品バージョンらしい。


 

 階段の手前から少し離れた場所には空いているスペースがあり、小さなテーブルとイスのセットが並んでいた。

 

 壁には、簡単な文字で働き人の募集が張られていた。

 絵も描かれているのは、文字が読めない人向けだろうか?


 カウンターは3か所開いていて、うち二か所は長蛇の列ができていた。



 「ああ、エリザベート嬢のカウンターもすごい人が…」

 「ロティさん、登録は行列になっているところでしかできないのか?」

 「いえ、そんなことはないけど…空いているカウンターにいるのがリリア嬢なので、ちょっと…」

 「何かあるのか?」

 「いえ…まぁ…」


 「いかがなさいましたか?」



 ロティが言いよどんでいるところに、カウンターから出てきた女性が声をかけてきた。

 


 「あっ、いえ…大丈夫…」

 「あら、ロティさんおかえりになっていたのね。お顔を見せないので心配していたのよ。」

 「それはすいません。ちょっと時間がかかって…」

 「お元気そうでよかったです。」

 「まぁおかげさまで…」



 ロティはこの女性が苦手なのだろうか?若いのだと思うけど、痩せすぎていて皺っぽく年齢がわからない。

 


 「ロティさん、こちらは?」

 「こちらは…」

 「隆二といいます。ギルドに登録してこちらで商売をしたいと思いまして…」

 「あら、新規登録ですか?」

 「はい」

 「私、リリアと申します。こちらでご案内しましょう。」

 

 ロティは嫌そうだが、そう声を掛けられて断るのもおかしな話なので、大人しくついていく。

 

 「リュウジさんは文字を書けますか?」

 「はい、簡単な物であれば…」

 「そうですか。では、登録料は、銀貨1枚です。お支払いできますか?」

 「それはもちろん」

 「それはよかったです。ではこちらに名前と年齢、性別、身長、体形と連絡先があれば書いてください。」

 

 隆二は目の前に出された竹札を見て驚いた。

 紙が存在していない?

 

 竹札に言われたことを書き終えてリリアさんに渡すと苦笑いをされてしまう。

 

 「リュウジさん、商人が年上に見られたい気持ちはわかりますが、これは無理がありますので、訂正しますね。」

 「え?」

 


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