33 木の葉亭①
「リュウジさん、どうぞ」
ロティの部屋を訪ねると、同じ作りをしていた。
窓際の椅子をすすめられた。
椅子に座り、ロティと部屋のことを少し話したあと本題だろう話題に入る。
「リュウジさん、食糧はどのくらい譲ってくれますか?」
「そうだな…米2㎏を12袋と大麦800gを10袋だな…。」
「そんなに?」
「ここで出してもいいかな?その…一度後ろを向いて欲しいのだが…」
「わかりました。出し終わったら声をかけてください。」
ロティが部屋の角で後ろを向いてくれた。あれなら見えないだろう。
隆二は、スマホを取り出してインベントリから、ベッドへ荷を取り出した。
「あとは…そうだな…ロバの餌にいいかも…」
隆二は野生種の小麦を束で取り出した。1束1000本らしい。森の泉の周辺で背の高い草がたくさん生えていたので収穫していた。穂先の麦籾は回収させてもらう。
今後、畑を手に入れられたら植え付けできるかもしれない。
「ロティさん、もういいですよ。」
隆二の声に振り向いたロティは山積みの荷に息をのんだ。
それから最初に近づいたのは、麦わらだった。
「これ、麦わらだよね?」
「ああ、そうだな。穂先は申し訳ないが回収させてもらう。ロバの餌にどうだろうか?」
「すごくありがたいです。今まで葉っぱを出してくれたのもありがたかったですが…こんなに立派な麦わらなんて久しぶりに見ました。」
「そうなのか?」
「はい、こんなに麦わらが手に入るなんて…どこで手に入れ…すいません、言えないよね」
「そうだな…ロティならどうする?」
「これは、ロバに食べさせたいと思います。その前に穂先を集めてお渡ししますね。」
「助かるよ。それで、ロティならこの米や麦はいくらで買い取る?」
「リュウジさんの持っているものだから、質は間違いない…僕だったら…米1袋銀貨2枚、大麦1袋銀貨1枚かな…藁は判断が難しいけど…飼葉としてなら小銀貨5枚頑張れば…」
米2㎏で1万ダルというなら100g1000ダルだから、100円くらいか?ロティは買ってから売るのにそんなに高額で大丈夫なのか?
隆二は、高騰している食品の価値を勘違いしていて1ダル1円相当だと思っていなかった。隆二が思っている数十倍の高額取引を提案されていたのだ。
「その価格で買ってくれるなら、藁の代金は不要だ」
「本当に?」
「ああ、それにすぐは無理だが少量ならまたそのうちに…」
「トントントン」
「ちょっと待って」
ノック音にロティが答えた。
「お湯を持ってきたよ。」
「うん、ありがとう。」
ロティがドアを開けると、女将さんが2Lほどの薬缶を持ってきた。
部屋に入り、薬缶をテーブルに置いた女将さんの視線がベッドへ向かって止まった。
「あの…麦わらがいっぱい…」
「あ…うん、まあ…」
女将さんの足がベッドへ向かった。
「これっこれ…見慣れないが…穀物なんじゃ」




