表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スマホを持って異世界に行ったのに、検索ができない  作者:
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

224/239

224



 翌朝、あかぎれや荒れていた肌は白くなっていた。周囲には剥がれた瘡蓋が落ちている。深く傷ついていたらしいところには瘡蓋が残っていた。

 アカサはあまりの効果に驚いてしまう。

 こんなにきれいにあっという間に治すなんてとんでもなく高価な薬なのでは?試したはいいけれど、買うとなるとかなりお高そうだ。

 もらったものを大切に使わせてもらおう。

 昨日いた人には配ったけれどまだ半分は残っている。



 「店長、ありがとうございます。これ見てください!」


 出勤すると、昨日薬を渡した従業員が手を出してきた。手も足もひどかったので、しばらくお休みをと伝えていた人だ。

 

 「かなり良くなりましたね。これなら2日もあれば復帰できますね。」

 「もう働けますよ…」

 「いえ、無理はいけません。皮が張らないとすぐに戻ってしまいます。明後日までは休んでください。」

 「でも…」

 「では…午後から、押し棒を使って洗ってください。」

 「ありがとうございます。」



 押し棒の仕事は、その分安い。

 それでも、働かないと困るのはアカサもよく理解できた。

 

 よく来てくれている人たちに一通り配り、治るまでの間は汚れの軽い物のみに制限させてもらった。どうしてもと黒ずんだ服を持ってきた時には、洗うのに時間がかかると説明して同意してくれた場合にだけ預かる。

 希釈水を減らして濃くした液につけるなら押し棒でもある程度は汚れを落とすことができた。

 

 そうやって全員の手足が回復したころ、長靴という物をリュウジさんが持ってきてくれた。それを2つ購入し、保護剤も1セット購入した。

 それらを購入して翌月の支払い分と洗濯洗剤を2樽注文すると残りはなくなってしまった。毎日報酬は支払っていて、自分には小銀貨4枚をもらっていた。

 自分と子供たちの食事代だ。店じまいの後に商業ギルドへお金を預けてから子供たちと水浴びをして雑炊を食べて帰るのが日課となっていた。



 毎日のように利用してくれる客は、農業ギルドの人たちが多かった。彼らは、他の人たちより少し早めに来る。

 土汚れが多かったけれど、手入れをしているからそれほど汚れはひどくないのだ。水浴びの間に洗うため、急ぐ必要はあったけれど、乾く暇もなく持ち帰ってくれるので物干し場の都合上とても助かっていた。

 彼らだけで上下合わせて50枚以上になる。

 その他にも、屋台広場で店を出している人たちが石鹸で洗いたいと出してくれていた。預けてくる服の中には、リュウジさんと同じ色付きの服もあった。

 ここで洗うと脱水機で水切りをしているため、部屋で干していても翌朝には着られると好評だった。




読んでくださりありがとうございます。

評価をいただけると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ