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スマホを持って異世界に行ったのに、検索ができない  作者:
第二章

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220/239

220


 隆二は、日課であるマイスマホの『評価』を見ていた。

 8700MPに増えているので、5.5時間で2000MP戻る計算になる。

 朝に米を2袋交換しても、11時間後には完全回復していることになる。3袋にしてもいいが…何かあった時に不安が残る。

 隆二は、端数でコピー用紙やノートなどの文具を増やすことにした。



 インベントリに入れると時間経過は遅くなるものの、古くならならいわけではない。野菜ならどうしても傷む。今のところ安心して入れて置けるのは、胡瓜の漬物くらいだ。

 

 もう少しで工業ギルドの建物が出来上がれば、その裏に工場を2棟建ててもらうつもりだ。

 街中の工場に通うのは不便なのだ。幸いにも未使用農地を4区画分購入できた。我が家から裏へ突っ切れば道路を挟んで向かい側となる。

 農地なので、建物を建てられる広さは決まっているが、その面積いっぱいに建てればいいだろう。取らなければならない農地には、手間が少ない作物を植えればいい。当面は、黍か雑穀でいいと考えた。



 建物を建てている間に、研修生に空き地に耕作機を引いてもらう。表面だけ起しておけば種は芽吹くだろう。

 

 隆二は、図面を引きながら夢を膨らませていた。

 鉄工場の親方であるドニーから防錆剤が欲しいというので、隆二は取り扱いのしやすいバー状にすることにした。防錆剤は少量を作って塗るか、大量に作り浸けるかの方法になる。どちらにしても使うときに溶かせるバー状のほうが取り扱いしやすいと思ったのだ。値付けには悩んだが、3粒で大銀貨1枚とした。製品が錆びずに長く持つとなれば、製品の価値は上がる。その対価としては悪くないはずだ。

 

 スライムの需要はあちらこちらで出ており、防腐剤でコーティングした柵にも研修生たちからの注目が集まっていた。

 そして、防腐剤は竹の腐りを防止するつもりでつけたのだが、かなり丈夫になることが分かった。竹や木で作ったものをコーティングすることで鉄に近い丈夫さを持たせられた。ある程度の衝撃には耐えられるのだ。


 この後に建てる建物の一つには、スライムの養殖場を備えるつもりだ。そのためには秘密保持契約のできる信頼できる人が必要だった。

 隆二とシアンで続けるのはきつくなっていた。



 ある日、リリアが研究室での打ち合わせを終えると、相談をしてきた。



 「デカビタミンでも治らない人はどうしたらいいでしょうか?」

 「うん?そりゃあ、効かない人はいるだろうね。どんな感じなの?」

 「骨と皮でベッドから起き上がれないですが、呼吸も弱いそうです。」

 「デカビタミンを飲むことは出来たんだね?」

 「はい、そう聞いています。」

 「その人はどういう人ですか?」

 「元々、片足が不自由な男性です。愛想はありませんが、依頼した仕事は黙々とこなしてくれる人です。」

 「へぇ…何かの職人さん?」

 「竹細工の職人さんです。でも、他のこともいろいろやってくれます。」

 「そうなのか?」

 「はい、仕事なら何でもやってくれる方です。皆さんが好まない掃除とかもやってくれるので、商業ギルドとしてはとても助かっていました。」

 「なるほどね…そういう人なら、欲しいね…治せないかもしれないけど、あってみようか?」

 「いいのですか!?すぐに向かいましょう。」



 隆二たちは、デカビタミンを使っても起き上がれるようにならなかったという男の元を訪ねた。

男は土気色の顔をしていて、もう数日の命だろうと見て取れた。

 


 「こんにちは、奥様にデカビタミンが効かなかったとお聞きしました。これが俺の持っている手段の最後です。助かりたければ、頑張って食べさせてください。」

 


 隆二は、すりおろした誠実を奥さんへと渡した。

 ここにきてすぐに手に入れた神の実だ。アオマッペを完全回復させるというのを信じるしかない。ヒロやシアンは助けられたが、この男はどうだろうか?



読んでくださりありがとうございます。

評価をいただけると嬉しいです。


11/3連載中全体で一時的ですが7位にランクインしていました。

読んでくれている方が増えていて嬉しいです。

1日に14844プレビューと最高記録も更新しました。

大興奮です。2度見3度見しても現実感がありません。

目の錯覚かと思って何度も見てしまいました。

これからも楽しんでもらえるよう書きすすめたいと思います。

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