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スマホを持って異世界に行ったのに、検索ができない  作者:
第二章

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 ミニトマトの収穫が始まって数日後、きゅうりの収穫が始まった。

 きゅうりは半日も置いておくと育ちすぎてしまう。朝と夕の収穫が必要になった。

 朝の収穫は、大人数で行えたが、夕方の収穫には女性たちは子供たちの世話もあり来られない。男たちだけで行ってもらった。

夕の収穫物を朝までおいておくと、冷蔵庫に入れられるわけではないので少々しなってくるのでそのままにはできない。

 

 夕方収穫したきゅうりは、別棟の厨房小屋へ運びこんでいた。

 残業希望の工場の女たち4人に来てもらう。


 女たちは、こちらに用意した制服であるTシャツとパンツに身を包み、頭にはタオルを巻いている。

 厨房小屋に入れたのは初めてだ。



 「こんなところまで来てもらって悪いね。」

 「いえ、とんでもない。お仕事をいただけるのはありがたいです。」

 「ここでの仕事は、いつも通り手をしっかりと洗ってからだ。」

 「わかりました。」

 「ここは炊事場ですか?」

 「そうだね。」

 「大きいお鍋ですね…。人が入ります。」

 「危ないから気を付けてね。この鍋は回転するから、必ずここを見てこの状態でロックがかかっていることを確認して、ロックされていればこのハンドルは動かないからね。」

 「へぇ。」

 「本当だ。」

 「この仕掛けすごい…。」

 

 「今からやってもらうのは、きゅうりの表面を茹でること、それから塩漬けにすることです。まずは、キュウリを洗ってもらいます。」

 「はい」

 「このスポンジで表面をこすってください。皮がベロベロにならないように注意してください。」

 「はい」

 


 洗ったきゅうりを竹籠へと入れてもらう。1籠に50本くらい入れてもらう。四角い竹籠の半分ほどに入れるとそのくらいになるのだ。それを6籠分以上はありそうだった。

 回転窯には火を入れてあり、水が張られている。なべ底にすのこを敷いてあるので、かごを入れても取っ手は湯に浸からない。



 「2人1組で作業をしてもらいます。籠を湯につける人は2人です。火傷をしては困るので、籠に棒を2本通して鍋の中へ下ろします。このまま1~10をゆっくり数えてください。10数えたら、持ち上げてこの台へ置きます。持ち上げるとお湯が出てくるので、ある程度湯が切れるのを待ってから隣の台へ置くように。」

 「はい」

 「残りの2人は、この台からこちらの盥へ移します。きゅうりを触る人は手洗いのあとこれを着けてください。」



 そういうとラテックスグローブを渡した。

 盥にはビニールをかけてあるので、衛生的な問題も減るはずだ。

 


 「これを着けている間はキュウリと盥の内側以外には絶対に触らないようにしてください。」

 「わかった。」

 「では、キュウリに触る人が1人、そこに塩をまく人が1人です。塩を撒く人は塩だけを触ってください。塩は1段に対してスコップ1杯です。」

 「はい」

 


 盥には18本ほどのキュウリが隙間なく並べられると、塩は竹筒を加工したスコップでたっぷりと振らせた。それから同じように並べてもらいもう1段載せてもらう。もう一度たっぷりの塩を振らせ、同じように並べ塩をしてもらう。樽の中の袋は空気を抜くように閉めていき出てきた水のところで縛る。そうやってから樽を小屋の端へと移動させた。落し蓋をして重石を乗せる。それを6回繰り返してもらう。




 「お疲れ様でした。とても助かりました。明日以降もあるので、お時間があればお願いします。」

 


 隆二はそう言うと、残業代として大きすぎたキュウリを数本ずつと小銀貨を1枚渡した。



 「こちらこそありがとうございます。明日もお願いします。」



 女性たちは受け取ると笑顔で帰っていった。


 そこからしばらくの間、夕方だけでも500本越えのキュウリを収穫し塩漬けにしていく。大きくなったものは印をつけてそのまま収穫をしないようにし、種取り用にしていった。

 

 街中では、トマトが籠売りされ、きゅうりが銅貨3枚で売られる日が続いた。それに伴い蕪や小松菜の根が下がる。

 

 粥とスープに加え、それなりに野菜を食べられるようになると、町の人々の顔色はよくなり溌剌としてきた。

 



読んでくださりありがとうございます。

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