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スマホを持って異世界に行ったのに、検索ができない  作者:
第二章

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 「ミニトマトは沢山入れると下の実が潰れるから、この浅い木箱に入れてください。二段入れたら次の箱にしましょう。」



 隆二は、ある程度の畑仕事を終えると研究室へと籠って収穫用の荷車を作っていた。

 収穫した物を一番上のトレーに入れていく。ワゴンは2面から引き出せる箪笥のようになっていて下の引き出しと入れ替えて収納できる仕組みだ。常に上段に乗せられるので、背負い籠に入れるよりも楽だった。

 ミニトマトは鈴なりに実っていて、房のうち色づいた5つくらいずつを収穫していく。今日は1畝分の収穫の予定だが、数日後には大量に収穫できそうで手が回るのかと不安になる。



 「1畝でこんなに収穫できるってすごいな。これ明日から手が回らないかもしれん。」

 「シドもそう思うか…」

 「ああ、どう見ても厳しいだろう。研修生は曜日関係なく来られる奴には来てもらおう。ギルドの他のメンバーに声をかけてもいいか?」

 「そうだな。頼む。」

 「今来ている奴らほどは動けないと思うが、それでもいいか?」

 「ああ、もちろんだ。飲み物くらいは用意する。」

 「それは助かる。今日のこれは売りに行くのか?」

 「食べきるのは厳しそうだからな…そうだ。明日来てもらう人たちに声をかけるなら、その人たちに配ってくれて構わないよ。」

 「いいのか?」

 「ああ、その代わり明日は来てもらってくれ。」



 隆二は、研修生とシドの5人と明日の手伝いに来てくれる人のためにトレー1枚分のミニトマトを渡した。隆二はインベントリに1枚分を入れ、1枚分を籠に分け入れた。籠は全部で5つあり、工場に2つ、リリアに1つ、家に1つ、洗濯場へ1つだ。





 残りはロティに頼んで屋台での販売をした。



 「さあ、今日はなんと珍しい野菜の販売だよ!真っ赤なミニトマトは甘酸っぱくて果物のようなおいしさだ。皮ごと丸ごと食べられるよ!」

 「お兄さん、いくらだい?」

 「このカップ1杯で小銀貨1枚だ!」

 「なんだって!?」

 「ひとつおくれ」

 「こっちもだ!」

 「ん~甘いよこれ!」

 「このまま食べられるのはいいね。」

 「火がなくても、調理器具がなくても食べられるよ。」

  

 

 見たことのない野菜に町の人たちは驚いたが、果物より酸っぱいが十分に甘さのあるミニトマトはあっという間に人気になった。火を熾さなくても食べられる物は少ない。薪を買えない人にはとても嬉しいことだった。

 小さなカップなので6粒程度しか入らない。それでも1カップ小銀貨1枚というのは果物と比べてとても安かったのだ。




 翌日から、研修生たち4人とシド、それから研修生の奥さんや女性だけの農家から来てくれた女性たち7人、合わせて12人になっていた。そこに隆二たち4人と合わせて16人になると収穫量は格段に上がった。



 翌日以降は連日、大量に売りに出したが、3週間ほどは毎日完売していくことになる。



読んでくださりありがとうございます。

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