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スマホを持って異世界に行ったのに、検索ができない  作者:
第二章

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 隆二は、ほぼ毎朝米とMPを交換していた。夜には、食べたい物の他にデカビタミンはもちろんだが、コンソメや卵・小麦粉などにも交換していた。

 そして、カスタードバーを作る朝には牛乳に交換していた。

 回転釜を使い、1度に大量のカスタードバーを作るのだ。

 大量だとかき混ぜるにも重いが、こればかりは仕方がない。2回転分作った頃、ロティが手伝いに来てくれた。

 切り分けて網に乗せて乾かす。

 当初は大き目の物を作っていたが、薄い1杯分ずつの方が売れるようなので、最初から小さく切り分けることにしていた。そのために、竹で切り分ける道具も作っていた。



 「今日も大量だね」

 「ああ、これだけあればしばらくはもつだろう?」

 「多分ね。」

 「商業ギルドでも大量に仕入れてくれているが、そろそろ元気になっただろうから需要は落ち着くと思うぞ」

 「そうかなぁ?だって農業ギルドや職人ギルド、大工ギルドでもだよね?」

 「そうだな」



 工業ギルド立ち上げの時に、交換条件ではなく純粋にお願いとしてカスタードバーを卸してほしいと要望されたのだ。

 毎週、各ギルドに20組ほど販売していたが、増やしてほしいと言われているのだ。



 「これ…カスタードバーだなんて言っているけど、秘薬のようだと思うよ。」

 「それはデカビタミンの方がそんな感じじゃないのか?」

 「カスタードバーもそんな感じだと思うよ。しかも、青スライムを使ったドロップ剤だ。」

 「違う。これはカスタードバー。ただの食べ物、飲み物だ。」

 「確かにドロップ剤はそのまま食べられないけどさ。その意味じゃこっちの方が優秀。」

 「そんなことはない。薬草なんて使っていないからね。」



 薬草よりよほど手に入りにくい材料を使っているのに、隆二にその自覚はなかった。



 「本当は、肉と野菜の煮込みとかもう少し栄養のある者をみんなに食べさせたいけど、今は無理だしな…」

 「そりゃあ無理だよ。この家にいると忘れるけど、1日に3回も食べられるなんてリュウジさんがいるからだ。」

 「1日3回は食べたいだろ?ロロナみたいに小さい子にはおやつも食べさせたいくらいだ。」

 「おやつ?」

 「食事の間に食べる軽食だよ。小さい子は一度に食べる量が少ないだろ?」

 「今でも十分だよ。ロロナやヒロ、シアンは十分すぎるほど食べているよ。見た目だってどこのお貴族様かってくらいふっくらしているよ。」

 「そうか?」

 「そうだよ。僕もそうだけど、こんなに食べたことないからね。おかげで背は伸びた気がするけど…」

 「そういえばそうかもな。」



 隆二はロティの頭を三角巾の上からポンポンと撫でた。確かに出会って4か月ほどだが、胸のあたりまで伸びているので3㎝か5㎝くらいは伸びたのだろう。

 


 「リュウジさん!」

 「怒るなって、たしかに伸びたと思うよ。」

 「僕は、ロバが仔を産んで1か月経ったら行商に戻ろうと思う。」

 「そうか、いいと思う。それがロティさんの仕事だ。」

 「それで…その時には、リュウジさんの食べ物を売りたいから分けてもらえるかな?」

 「もちろん構わないが…」

 「日持ちさせるのは難しいですが…実は…」

 「ん?」

 「その…」

 「うん?」

 「実は…」

 「うん」

 「これは誰にも話したことがないけど、実は僕には空間収納スキルがあります。」

 「へぇ?時間経過はどうなっている?」

 「僕のは…1/2の遅延。」

 


 1/2の遅延なら、倍の時間はもつことになる。それなら葉物野菜でも2日の距離までは運べる事になる。

 商売には便利だろう。



 「どのくらい入る?」

 「木箱4つくらい…だったのだけど…」

 「4つか…」

 「それが…リュウジさんと過ごしている間に、1/4の遅延になっていて…しかも容量が増えていて、木箱10個入れてもまだ入りそうで…」

 「へぇ」

 「って、リュウジさんやっぱり平然としているね。」

 「ん?」

 「持っているよね?収納スキル。」




読んでくださりありがとうございます。

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