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スマホを持って異世界に行ったのに、検索ができない  作者:
第二章

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 洗濯場へ向かうと、オーナーさんが待っていた。



 「アカサさん、おはようございます。」

「おはようございます。今日、明日、よろしくお願いします。」

「では説明しましょう。このタグですが同じものを3個ずつ用意しました。」

 


 オーナーさんが出したトレーには小さな枠があり、縦5列横五行の飾りが1枠空けて入っている。3枚ずつ同じ物が用意されていた。8種類の飾りが赤、青、黄色の3色で作られた飾りは太い糸で形が作られている。


 「これは…」

 「なくさないでくださいね。」

 「ええ、もちろんです。お借りします。」

 「持ち込んだ人に、対になる飾りを渡すといいでしょう。大量に持ってきたなら籠につけ、1~2枚なら1枚ごとにつければいい。」

 「なるほど…たしかにそうすれば間違えないですね。」

 「そうです。それで取れないように縫い付ける必要はありますが、すぐにとれるようにもしなくてはならない。それでいて洗濯の間に取れては困りますからね。そういう縫い付けはできますか?」

 「ええ、仮止めしておけばいいと…」

 「それならばよかった。では、がんばってください。こちらに仮縫い用の糸と針も用意してあります。」

 「ありがとうございます。」



 「うわぁ…なにこの針、新品だよ。錆一つないよ。」

 「へぇどれ?本当だ。きれいだね。」

 「ちょっと見てよ、これ…糸が色糸だよ。何色もあるよ…これを使うなんて…なんだかもったいないねぇ…これは捨てないように使わないと…」

 

 セイがぶつぶつと言い始めた。

 セイが持ってきた商売道具とは、見かけそのものが違う道具だった。

 


 その日、客は持ち込むとセイが確認をして、飾りをつけてから同じ飾りを客へと渡してもらうことにした。



 「すいません、今日からは洗濯物1枚で銅貨5枚前払いとさせてもらいます。」

 「値上げかい?」

 「はい、お預かりの品の間違い防止にいろいろとかかりまして…」

 「そんなのこっちには関係ない…あらぁきれいだね。」

 「これをつけて洗います。お返しの時にこれをお持ちいただければ、その時に外してお返しします。」

 「なるほど、同じ形を探すんだね。」

 「そうです。」

 「その間はこの飾りをこうやって腕につけてください。」

 「そりゃあいいねぇ。」



 用意された飾りの1つは伸び縮みする紐がついていた。この飾りひとつでいくらするのか見当もつかない。でも、服と交換にもらおうなんて人は出てこないだろう。


 縫子がいることで、補修の依頼も入った。その時はセイの言い値でやってもらうことにした。


 売上を入れる金箱は用意してもらっていた。商業ギルドへこのまま持ち込むように言われた。

 セイの売り上げは別の箱に入れてもらう。

 

 飾りをつけているので、まとめて洗うことができた。脱水機も遠慮なく使える。濯ぎの間は付きっ切りになるが、それでも籠3つ分の大量依頼と1枚から数枚の依頼が入り60枚越えの依頼をこなした。

 大事なのは客が水浴びをしている間に洗い終えることだ。そうしないと、帰るのに間に合わなくなる。

 夕方には疲れ切っていたので、店じまいにした。


 飾りがそろっていることを確認して、金箱と一緒に商業ギルドへと顔を出した。

 アカサとセイは別々の部屋へ通され、金箱の中身を開けた。


 「銅貨185枚と小銀貨14枚ですね。」

 「そんなに?」


 小銀貨32枚と銅貨5枚も稼いでしまったようだ。





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